ラーモス移住地=55周年をさくら祭りで祝う=真心で接客、茶室落成式も=市人口超える3500人来場

開会式で挨拶する青木社長

 2007年に悲願の道路舗装完成、翌08年に観光物産館「八角堂」を落成させ、観光農村化を着々と進めてきたラーモス日伯文化協会(小林雄二会長)。次の一手として、8日に開催された第21回「ラーモスさくら祭り」(入植55周年)の折に、南三州では初めての専用の茶室を落成した。同祭りはサンタカタリーナ州フレイ・ロジェリオ市の桜公園で開催され、市が後援した。入場料20レアルにも関わらず、サンパウロ市やフロリアノポリス、ポルト・アレグレなど遠路はるばる来場した人をはじめ計3500人が入場し、市人口2500人を大きく超える盛況ぶりとなった。

 午前9時の開会式にはサンパウロ市からブルツリーホテルグループの青木智栄子社長と国際部の広瀬純子さん、小原彰陸軍予備役少将とスエコ夫人が駆けつけた。木村元在クリチーバ日本国総領事、フレイ・ロジェリオ市のジャイール・ダ・シウヴァ・リベイロ市長、州知事代理としてニルソ・ベルランダ州議員、ロミウド・チットン州議員も列席した。
 最初に青木さんが「素晴らしいイベントに感激。丁寧に作られたお料理、設備、来客対応、お茶室など、商業的なところがない点に皆様の真心を感じました」と挨拶した。
 ジャイール市長は「市の発展に大いに貢献するイベント。これを通して市が知られる事を願っている」と高く評価した。木村総領事は祭りの大盛況を祝し、「現在ラーモス日伯文化協会が申請中の草の根資金無償協力による武道館建設について、2カ月後には答えが出るはず。良い結果を報告できるよう祈っている」と話し、同州ゲートボール大会で使われる大きな総領事杯を小林会長に手渡した。
 芸能プログラム開始前、青木社長が飛び入りでマイクを握り、茶室落成式の意義と日本文化における茶の湯の価値を説明し、お茶会への参加を呼びかけた。
 本会場では恒例の剣道、居合道、武術、踊り、太鼓の演奏が披露されたほか、新しい出し物としてパラグアイより鼓太郎グループ、ブルメナウより合気道グループ、清水千鶴さんによる振り袖の着付けもあった。クリチーバ総領事公邸料理人の高橋慎二さんによるキュウリの飾り切りのワークショップなど多彩なアトラクションがあった。
 約6万レアルの建設費をかけた茶室の落成を祝う茶会が正午から始まり、特別招待客9人を含めた25人に対し。手製の和菓子と共に、京都から取り寄せた封切の抹茶がふるまわれた。
 会場の敷地には山桜約1千本が植えられ、白い花を咲かせていた。アゼリア藤、つつじなどの花も同時期に咲き、来場者は優雅な色のコントラストを楽しんだ。

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 「ラーモスさくら祭り」で落成された茶室で点前を楽しんだブルツリーホテルの広瀬純子さんは、以前、京都の裏千家家元について稽古をした経験がある本格派。後日、茶室落成式の感想を聞かれた広瀬さんは、「心のこもったお点前、ありがとうございました。『一茶碗から世界の平和を』と、私は学びました。あのときのお点前は、この言葉を思い出させてくださいました。どうか、いつまでも、和敬清寂の心を伝え続けてくださいますよう、お祈りします」と主催者にコメントしたとのこと。