《ブラジル》カンピーナス空港を強盗襲撃=20人組が銃撃戦、焼き討ち

犯人たちが使った、機関銃などを装備した車両(Divulgação/Polícia Militar)

 17日午前、サンパウロ州カンピーナスのヴィラコッポス国際空港で強盗事件が起き、銃撃戦や高速道での車焼き討ち、篭城、立てこもりなども引き起こすという壮絶な展開を見せた。17日付現地サイトが報じている。
 強盗事件は17日午前9時50分頃、ヴィラコッポス空港の貨物ターミナルで起こった。狙われたのは現金輸送会社「ブリンクス」が警備を担当するコンテナで、多額の現金が入っていた袋を22個積み込み、貨物専用機に載せる直前だったという。
 強盗団は軽トラック2台で現場に接近したが、その車は空軍車両を模したものだったという。
 強盗団は重火器で武装しており、マシンガンを使って現金を積んだコンテナを爆撃すると、現金入りの袋を盗んで逃走した。この際、ブリンクスの警備員との銃撃戦が起こり、警備員2人が負傷した。
 この影響で、同空港は10時から10時20分にかけて一時閉鎖状態になった。便の運航は12時頃に再開された。
 犯人たちは車で逃走したが、その際、サントスドゥモン高速道で大型トラック3台を焼き討ちにして通行を妨害し、警察から逃れようとした。同高速道は両方向とも、約1時間半、通行止めとなった。
 犯人たちの追跡は軍警と市警備隊が行ったが、その間に起きた銃撃戦で市警備隊の車両3台と軍警の車両1台が被弾。カンピーナス地区の軍警副司令官のモレイラ少佐も被弾して手術を受けた。

ごみ収集車から回収された現金入りの袋や武器(Polícia Militar/Baep/Divulgação)

 犯人たちは途中、車から降りて各自逃走した。ごみ収集車を盗んで逃げようとした男たちは途中から市警備隊の車両に乗り換えて逃走を続けたが、ヴィダ・ノヴァ地区で追い詰められ、民家に押し入ろうとしたところで、2人が警官に撃たれて死亡した。
 また、もう1人の容疑者はその民家に立てこもり、女性と生後10カ月の赤ちゃんを人質にとった。この男は12時頃から2時間にわたり、警察と交渉を続けたが、軍警特殊戦術行動グループ(GATE)の狙撃手(スナイパー)が容疑者を射殺した。
 人質となった赤ちゃんと女性の内、赤ちゃんは無傷だったが、女性はでん部に傷を負っていたため、病院に運ばれた。
 残りの容疑者らはまだ逃走中だが、警察は犯罪グループのメンバーは約20人と見て捜査中だ。