《ブラジル》名TVディレクターのマウリシオ・シェルマン死去=数々の長寿番組の立役者

 ブラジルのテレビ界を代表する名番組を手がけてきた名ディレクター、マウリシオ・シェルマン氏が17日、リオの自宅で亡くなった。88歳だった。同日付現地サイトが報じている。
 1931年にリオ州ニテロイ市で生まれたシェルマン氏は、幼い頃から劇俳優として活躍。ラジオのマウア局にも俳優として入り、18歳のとき、ラジオのグアナバラ局に移った。そこで、後の名コメディアン、シコ・アニージオや名歌手のエリゼッチ・カルドーゾと親交を持つ。
 テレビの仕事をはじめたのは1950年代からだが、最初は声の吹き替えなどを担当。1961年からは、トゥピ、エクセシオール、グローボの3局で主に芸能系の番組をつくって来たが、1973年、グローボで「ファンタスチコ」創設に立ち会う。ニュース番組に文化芸能の情報も混ぜたスタイルの同番組は大ヒットし、今日に至るまで、同局の日曜夜の長寿看板番組となっている。
 また、80年代初頭には、シコ・アニージオにオス・トラパリョンエスという当時のお笑い2大スターのレギュラー番組を担当。子供番組にも進出し、国際的にも大ヒットした人気女性司会者シューシャの出世にも一役買った。
 90年代以降もバラエティ・ショーの「ビデオ・ショー」、お笑い番組の「ゾーラ・トタル」まで、今日まで続く長寿人気番組の制作に携わっていた。