スーパーエルニーニョと大災害

 風台風15号と雨台風19号による被害が続いた日本。1日も早い復旧を願わされる中、28日にスーパーエルニーニョと地球温暖化に関する記事を読んだ▼エクアドルに近い赤道付近の海面水温が平年より高い状態が1年以上続き、世界各地で大雨や干ばつなどを引き起こすエルニーニョ現象。だが、ハワイ大学の研究によると、地球温暖化が進み、今後は海面水温が平年比3~4度も高くなるスーパーエルニーニョがより頻繁に起き、台風やハリケーンの発生増加や気温上昇を招くという▼同大学によれば、スーパーエルニーニョは1982年と98年、2015年の3回起きている。7月5日付のbp―Aニュース(日本語)では、1997年と2015年に起きたとあり、若干食い違うが、ハワイ大学の研究者は、1970年代以降は海面水温の上昇が起きる場所が太平洋東部から太平洋西部に移り始め、異常気象が激化しているという。日本語報道では、北西太平洋域の熱帯収束帯(モンスーントラフ)の大気変動の大きさと台風の数に相関関係があるとしている▼海水温や海水の酸性度の上昇と人間の諸活動や地球温暖化が密接に関係している事は数年前からいわれており、スーパーエルニーニョの頻度上昇の記事は今後の自然災害激化も予測させる。近年は人的活動や地球温暖化と風水害の増加を関連付ける説も増え、ブラジルでは干ばつも激化。29日にはミナス州ベロ・オリゾンテで月間降水量の半分の雨が降り、大きな被害を出したが、これも温暖化の影響の一例といえそうだ。ボルソナロ大統領は森林伐採の影響や地球温暖化を否定するが、科学者は彼の見解を覆す説ばかり出している。(み)