《サンパウロ州》麻疹患者が1万人超える=予防接種実施率も目標に届かず

3種混合の予防接種用ワクチン(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 サンパウロ州保健局が10月30日、同州内の麻疹(はしか)の患者が1万620人に達したと発表した。同州では麻疹により、13人が死亡している。
 保健局によると、患者の内、8189人は血液検査によって感染が確認されており、残りの2431人は診察した医師が病理学的に診て感染していると判断したという。 同州の患者は、全国の患者の90%以上を占めており、1万620人の患者の内、6011人はサンパウロ市在住者だ。また、死者の半数は5歳未満の子供だった。
 保健省は10月29日に、生後6カ月から12カ月までの子供の予防接種実施率が世界的な安全基準である95%に達したと発表し、サンパウロ州も95・53%実施と報告された(12州と連邦直轄区はまだ95%に達していない)。
 だが、サンパウロ市は予防接種実施率が目標の95%に達しておらず、いまだに麻疹の患者が1週間で9・33%増加している。サンパウロ州では同市も含め、目標に達していない市が、生後6カ月~12カ月の子供への予防接種キャンペーンを継続している。この年齢層の子供は重症者や死者が出やすく、同州での患者の総数の15・4%を占めている。
 サンパウロ州保健局では、患者の増加が続いている事を重く受け止め、18~30日に20~29歳の青年を対象とする予防接種キャンペーンを実施する事も決めた。この年齢層の青年には、通常の3種混合か、麻疹と風疹の2種混合の予防接種を受ける事が勧められている。
 生後6カ月未満の子供や妊婦、免疫能力が落ちている人に対する予防接種は適切とはみなされていないため、予防接種を受けられない人や乳児を抱える家庭に対しては、これらの人に接する前に手を洗う、これらの人が使う物をこまめに洗浄するといった衛生管理の徹底や、人ごみの中に連れ出さない、換気を心がけるなどの注意が呼びかけられている。(10月30日付アジェンシア・ブラジル、同G1サイト、10月29日付アジェンシア・ブラジルより)