CIATE=デカセギの現状と将来を考える=入管法改正30周年で国際シンポ

昨年のシンポジウムの様子

 国外就労情報援護センター(CIATE、二宮正人理事長)は在日日系就労者に関する国際シンポジウム「2019年度CIATEコラボラドーレス会議」を11月9、10日、ブラジル日本文化福祉協会ビル貴賓室(R. São Joaquim, 381, 2º andar – Liberdade)で開催する。
 今回のテーマは「在日日系就労者の労働、教育及び起業~入管法改正30周年を迎えて~」。9日は午後6時から関係者のみで開会式を行う。
 10日は午前9~午後6時に、各分野の専門家が講演を行う。一般の参加も受け付けており、日ポ両語の通訳付き。参加無料、申し込み不要。問い合わせはCIATE(電話=11・3209・0838)まで。
 10日のプログラムは次の通り(敬称略)。
 ▽午前9時、二宮正人(理事長)挨拶▽9時5分、田中克之((公財)海外日系人協会理事長)講演「日系就労者を取り巻く環境について」▽9時45分、アレシャンドレ・アウグスト・モライス(翻訳・通訳業)、講演「日本での仕事と生活~いくつかの事例とともに~」▽10時25分、石津克己(厚生労働省職業安定局外国人雇用対策課長)、講演「最近の日系人の雇用情勢と政府の施策について」
 ▽午後1時5分、尾崎正利(NPO法人労働問題研究所理事長)、講演「日本の外国人労働者受入政策の変化の中で日系南米人の労働移動を考える」▽1時45分、ラファエル・メルゼール(CIATE日本語教員、クルゼイド・スル大学通信学部日本語教員)、講演「CIATEの日本語講座―日本での挑戦を乗り越える武器」▽2時45分、斉藤俊男((株)ティー・エス代表取締役社長)、講演「経営者の視点から見た日本における外国人労働者市場の将来」▽3時50分、栗田政彦((一財)日伯経済文化協会専務理事)、講演「移民受け入れ地域社会での子女教育・職育支援活動―思想と茨城県近郊でのブラジル人支援事例紹介―」▽4時半、マルコス・ディエゴ・モガミ(元デカセギ、起業家、作家)、講演「起業家精神とその経験」▽5時半、昭栄奨学金奨学生、発表▽6時、二宮正人、挨拶
 出入国管理及び難民認定法は1989年末に改正、翌年に施行され、日系ブラジル人のデカセギを増加させる機会となった。今年で改正30年を迎える。

□関連コラム□大耳小耳

 文協ビルで開催される「2019年度CIATEコラボラドーレス会議」の開催趣旨には、「四世ビザ」の問題も含まれている。日本政府が昨年7月に施行した日系四世受け入れ制度だが、過度に厳格な申請要件があるために利用できる人が少ないのが現状だ。ブラジルでは要件緩和を求める署名運動が行われ、日系政治家は日本政府関係者と接触するたびに申請要件緩和を求めている。日系社会全体が四世ビザ制度をもう一度見つめ直し、日本政府に声を上げたいところだ。