日本語まつりに多数来場=「年々レベル上がっている」=コンクールに1500点応募

コンクール優秀作品の展示を楽しむ来場者(センター提供)

 ブラジル日本語センター(日下野良武理事長)は「第16回日本語まつり」を10月20日、サンパウロ市ヴィラ・マリアナ区の同センターで開催した。「2019年全伯日本語学校生徒作品コンクール」優秀作品の展示、表彰を行った他、日本文化に関するワークショップなども開かれ、多くの学習者や日本文化愛好家が来場した。

 同コンクールでは全伯の日本語学校から約1500点の応募があり、うち468人が入賞した。当日の表彰式には約100人の生徒が出席し、一人一人にメダルが首に掛けられた。ブラジルの日本語学習者は減少傾向にあるが、同センターのノゲイラ亜也・研修コーディネーターによれば「年々作品のレベルは上がっている」という。
 このコンクールは学習者の意欲向上や学習の活性化、日本文化への理解促進を目的とし、イラスト、絵画、硬筆、書道、作文、漫画の6部門で作品を募集。年齢別に優秀作品が選出される。
 2000~06年出生の応募者の作品からは、6部門の最優秀作品が選出され、当日は硬筆部門で受賞の池本明美さん(14、スザノ金剛寺学園)、イラスト部門のビオット大輝さん(13、サンベルナルド文化協会日本語学校)が、トロフィーと賞状を受け取った。
 サントアマロ日本語学校生徒のエンゾウ・ジュン・タバさん(13)は絵画部門の年齢別カテゴリーで銅メダル、弟のブルーノさん(9)も絵画部門の年齢別カテゴリーで銅メダルを受け取った。
 エンゾウさんは「表彰を受けてもっと頑張ろうという気がわいてきた」、ブルーノさんも「来年はメダルをもう1つもらえるように頑張る」と意気込みを見せた。2人の母親も「息子が初めて参加したコンクールで入賞できて、私は世界一幸せな母親だと思う。親にとっても励みになる。受賞と表彰式は子どもの一生の財産。今後の成長にもつながる」と満足げな様子だった。
 会場では折り紙でハロウィーンの飾りを作るワークショップや着物の着付け体験、けん玉、知恵の輪などを体験できるコーナーや古本市も開かれ、来場者でにぎわった。知恵の輪体験では熱中して1時間ほど取り組む子どもの姿も。お好み焼きなど日本食も販売し、好評を博した。
 日本語学校生徒らは太鼓や踊りを披露。国際協力機構(JICA)の日系社会次世代育成研修の報告も行われた。
 同コンクールの最優秀賞受賞者は次の通り(敬称略)。池本明美(14、スザノ金剛寺学園、硬筆)、利光裟羅(17、マリアルバ日本語学校、絵画、漫画の2部門)、徳久竜馬(15、コロニアピニャール日本語モデル校、書道)、ビオット大輝(13、サンベルナルド・ド・カンポ日伯文化協会連合会日本語学校、イラスト)、塩谷榛名(16、トメアスー日本語学校、作文)

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 「第16回日本語まつり」では「全伯日本語学校生徒作品コンクール」応募作品の展示が行われた。最近では絵画、書道の関心が高い一方で、「日本語学習の集大成とも言える作文への応募が減っている。難しいという先入観があるせいか」とのこと。センターでは、日本語学習を始めたばかりの子どもには絵日記から始めて、徐々に作文までレベルを上げていくそう。指導者も工夫をこらして学習者増加に取り組んでいるようだ。