《ブラジルサッカー》全国選手権32節=フラメンゴ、U17W杯出場回避の少年が貴重な同点弾=早ければ17日にも優勝?


(写真)=今節も得点し、通算21ゴールのガビゴルは、ジーコの持つ、1シーズンのブラジレイロン最多得点記録にならんだ。(Alexandre Vidal/Flamengo)

 11月9、10、11日に、サッカーのブラジル選手権1部リーグ第32節の全10試合が行われ、2位のパルメイラスが引き分け、首位のフラメンゴが勝利したため、勝ち点差が10に広がった。
 フラメンゴに先駆け、9日に試合を行ったパルメイラスは、コンサートのためにホームスタジアムが使えず、サンパウロのパカエンブ―競技場でコリンチャンスを迎え撃った。サンパウロで最も激しくライバル心を燃やす両チームの対戦は、「デルビー・パウリスタ」と呼ばれ、サポーターの熱気も普段に増して高まる。大型補強のパルメイラスは、戦力的にはコリンチャンスを圧倒していたが、試合は後半追加タイムまで0対0で推移。後半47分にコリンチャンスの伏兵右サイドバック、ミシェル・マセドがコーナーキックからのこぼれ球を豪快なミドルシュートでパルメイラスゴールに突き刺し、先制すると、パルメイラスも1分後にブルーノ・エンリケがコーナーキックからの混戦からボールを押し込んで同点。試合はそのまま終了し、両者、勝ち点1止まりだった。
 一方のフラメンゴは、パルメイラスが引き分けに終った翌日、ホームのマラカナンスタジアムにバイーアを迎えた。勝てば勝ち点差を10に広げるチャンスだったのに、まさかのオウンゴールで先制を許す。嫌なムードを一掃する同点ゴールを決めたのは、途中出場のFWレイニエル(17)だった。
 ブラジル国内では現在、17歳以下のワールドカップ(U17W杯)が開催されている最中だ。だが、レイニエルはフラメンゴに戦力として計算されており、フラメンゴの首脳が、「W杯といっても年齢制限付きの一番下のカテゴリーで、いわば子供の大会。そんなものより、大人のプロの真剣勝負が優先されるべき」としてレイニエルの供出を断った。
 最悪のパターンは、「U17W杯にも出られず、フラメンゴではベンチを温める」だったが、レイニエルはここまで、怪我人の多いフラメンゴ攻撃陣を立派に支えている。レイニエルのゴールが呼び水となったフラメンゴは、その後も、FWブルーノ・エンリケ、ガビゴルが得点を重ねて3対1と逆転勝利した。
 これでフラメンゴは2位パルメイラスとの勝ち点差を10に広げ、今週末の第33節で優勝が決まる可能性が出てきた。
 来週末のリーグ戦第34節がリベルタドーレスの決勝戦と重なるフラメンゴだけが、13日の水曜日にその試合を前倒し開催。それに勝って、週末17日の第33節でもフラメンゴが勝ち、パルメイラスが負けると、勝ち点差は16となる。そうなれば、その後にフラメンゴがリーグ戦全敗、パルメイラスが全勝でも追いつくことは不可能となる。(10~12日付グローボ・エスポルテサイトより)