《サンパウロ市》暴力からの女性保護施設落成=着工4年、3千平米超の広さ

 サンパウロ市中央部カンブシで11日、着工から4年をかけた「ブラジル人女性の家」が完成した。12日付現地紙が報じている。
 この施設には、女性保護警察署や検察、公選弁護人事務所、裁判所などの女性保護施設が入っており、家庭内暴力や強姦などの暴行被害に遭った女性を24時間体制で受け入れる。また、サンパウロ市内の第一女性保護警察署も同施設内に移転した。
 連邦政府は同施設の建設のために1030万レアルを投資した。開所式典に出席したサンパウロ州知事のジョアン・ドリア氏は、「公的資金の負担を減らすため、個人的に一般の私企業にも建設費の捻出を要請した」とした。
 開所式にはダマレス・アウヴェス女性家庭人権相をはじめ、連邦政府レベルや州政府レベルの高官も多く出席した。アウヴェス氏は、「まだ、女性に手を上げている愚かな人々に伝えたいことがあります。『蛮行ももう終わりです。我が国は女性を守るために立ち上がっているのです』」と演説したが、会場の外では、同大臣を快く思わない集団から「ダマレス、出ていけ!」との声も上がった。
 今回オープンした施設は3659平米だが、ダマレス氏は、より小さな市、自治体には、よりコンパクトな施設を多く作れるように、計画を手直しする意向を示した。
 ジウマ政権下の2013年に始まったプロジェクトでは、国内26州と連邦直轄区に一つずつ、こうした施設を建設する予定だったが、まだ7州にしかできていない。
 また、中央統一労働組合(CUT)婦人部長のマルシア・ヴィアーナ氏は、「この施設が今後どう運営されるのかが重要」と語った。