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《ブラジル》ボルソナロ大統領の新党「ブラジル同盟」発足=「銃と神」重んじ、左翼攻撃=早くも強い物議を醸す=党承認後も課題は多く

発足式でのボルソナロ大統領(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

 21日、ボルソナロ大統領は自身の新党「ブラジル同盟(APB)」の結党を宣言した。大統領は発足式で、銃や宗教の重要さを語り、共産主義やグローバリズムを敵扱いしただけでなく、かつて自分を支持した勢力をも批判して物議を醸した。22日付現地紙が報じている。

 新党の発足式はブラジリアのホテル「ゴールデン・チューリップ」で行われた。同式には党首予定のボルソナロ大統領、副党首の予定の長男フラヴィオ上議、ミシェル大統領夫人、フラヴィオ氏ら3兄弟とは腹違いの弟のジャイール・レナン氏などの家族が参加した。他、次男カルロス氏(欠席)の側近で、大統領府内の「嫌悪部隊」構成員のテルシオ・アルナウド・トマス氏や、担当弁護士のカリナ・クファ、アデミール・ゴンザーガ両氏らが参加した。
 式ではクファ氏が「党の4原則」の説明を行った。それは「神と宗教への敬意」「ブラジル国民の記憶や文化への敬意」「生命の保護」「秩序と治安の保障」だ。
 同氏によると、新党は「革命を呼び起こすような犯罪的な行為、共産主義、グローバリズム、ナチ・ファシズムなどへの対策強化」に努めることを軸とする。また、「他党と組んで共産主義を駆逐する」「ブラジル国旗が赤く染まったことはない」と声高に叫んだ。
 APBの発足式での言動に対しては、ドイツのジャーナリスト、ゲルド・ベンツェル氏が「ナチスの軍隊のようだ」と評した他、グレイシ・ホフマン労働者党(PT)党首が「ブラジル国民にとっての死亡宣告」と呼ぶなど、強い批判の声もあがっている。
 さらに、スピーチに立ったボルソナロ大統領は、左派勢力のみならず、アレッシャンドレ・フロッタ下議やウィルソン・ヴィッツェル・リオ州知事らを「裏切り者」と称して批判した。
 ボルソナロ大統領は、19日まで所属していた社会自由党(PSL)から20人以上の政治家がAPBに移籍すると見込んでいるが、現時点で同党に離党届を出したのは大統領とフラヴィオ氏の2人のみだ。
 ボルソナロ氏はネットを使った結党署名を行うことを希望しているが、選挙高等裁判所がそれを認めるかどうかは微妙な段階だ。来年の3月までに新党が承認されなければ、10月の市長・市議選には間に合わない。ボルソナロ大統領は21日に、選挙高裁が電子署名を認めなければ、来年の選挙への参加は無理との見解を明らかにした。
 また、2022年まではPSLが約10億レアルの政党支援金を受けることになっており、APBが承認されても、22年の大統領選を含む選挙への公的資金はほとんど回らないことになる。
 なお、大統領はピストルの口径として最も良く知られる「38」を政党番号に希望しているが、現在申請中の別の右翼政党とその番号を争うことになる。