「ブラジル人10万人を殺せ!」=暴言のパラグアイの上議、議席剥奪処分に

暴言と警官への暴行で上議の職を解かれたパラグアーヨ・クバス・コロメス氏(事件をつたえるブラジルのニュースサイトより)

 「ブラジル人の盗賊10万人をぶっ殺せ!」―。こう叫んで地元パラグアイ警察の警官を殴打したパラグアイの上院議員、パラグアーヨ・クバス・コロメス氏(57)が28日、同国上院で議席剥奪処分を受けた。28、29日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
 同元上議の発言は、25日にインターネットに投稿されたビデオで確認できる。この中で元上議は、ブラジルとパラグアイの国境近くのミンガ・ポラ市で、警官に暴行を加えていた。
 同元上議は「パラグアイ警察が、違法伐採の木材を積んだトラック3台の拘束を解く」との知らせを受け、現場に急行。
 「車両の拘束を解くな」と命令したが、警官が拒否すると、「車はブラジルから来たのか。この国で違法伐採した木材をブラジルに運ぶのか。ふざけるなブラジル人の盗賊ども。侵略者め。だいたいパラグアイに何人ブラジル人がいやがるんだ? 200万人か。少なくともそのうちの10万人は盗人だ。やつらをぶっ殺せ」とわめき、警官を叩き、警察車両を蹴飛ばした。同上議は警察車両からキーを引き抜きさえもした。
 全てはビデオに映っており、パラグアイ国内で大問題となったため、木曜の審議で議席剥奪(失職処分)が承認された。
 同元上議は全く反省しておらず、「私の闘争は議会の外でも続く。だいたい議会なんて汚職の巣窟だ」といきまく動画を投稿している。