商議所昼食会=布瀬氏、大阪万博へのブラジル出展に=「強烈な後押し」を呼びかけ

協力を呼びかける布瀬さん

 ブラジル日本商工会議所(村田俊典会頭)の11月定例懇親昼食会が22日(金)にサンパウロ市のマクソウジ・プラザ・ホテルで開催され、100人あまりが参加した。
 最初に村田会頭から、直前に開かれた常任理事会で話し合われた2020年に向けた組織改編の報告が行われ、イノベーション・中小企業研究会が委員会という常設組織に格上げ、政策対話委員会が日伯経済交流促進委員会に、全地域会議所連携強化委員会が日伯交流委員会に吸収されることになったと発表された。

商議所の役員と講演者ら

 続いて、2025年日本国際博覧会協会の布瀬雅義審議役(国際担当)が「2025年大阪万博」について、15分あまり講演した。
 ブラジルは近年の万博には熱心に参加しているが、2005年愛知万博は不参加だった。世界の大国として、また日本との深いつながりを持つ国として、次の大阪万博にはぜひ参加してほしいことから、その下準備として今回来伯したと説明。「大阪万博は、世界中の国々が人類の課題に挑戦した成果を発表する場にしたい。いずれ、正式な出展依頼をブラジル政府にするときには、熱烈な後押しをお願いしたい」と強調した。
 会議所の平田藤義事務局長は「当会議所としても大阪に決まるまでの間も、南米で大宣伝をしてきました。これからも協力していくつもりですので、会員企業の皆様もよろしくお願いします」と協力を依頼した。

来年のアルゼンチン情勢を予測するヴィジャルバ氏

 続いて、元アルゼンチン投資・通商庁副総裁のロドルフォ・ヴィジャルバ氏(同国CEMA大学教授)が「新ペロン体制下におけるダイナミックなアルゼンチン経済と政治」について日本語で講演した。
 マクリ政権は、それ以前の左派ポピュリズムによる過大な政府支出を大幅削減し、財政の立て直しを図ってきた。だが10月の大統領選挙では、左派アルベルト・フェルナンデス氏とその副大統領候補のクリスチーナ前大統領に負けた。
 ヴィジャルバ氏によれば、この二人は同じペロン派だが経済政策で意見が異なる部分があり、「ケンカ分かれする可能性がある」と指摘した。フェルナンデス氏は市場経済を認めるが、クリスチーナ氏はゴリゴリのマルクス主義者だという。
 「フェルナンド氏はブラジルとケンカして、メキシコに近づく。中国との付き合いは大事にするだろうが、中国はブラジルの方を優先する傾向がある」と見ている。
 「どちらが主導権を握るかで、政権は変わってくる。ある程度時間が経たないとわからない。だがまたポピュリズムの経済政策が戻ってきたら、2年後ぐらいに罷免運動が高まる可能性もありえる」との独自の見通しを語った。

講演の様子

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 商議所昼食会では野口泰在サンパウロ総領事から、マルセロ・アラウージョ氏がモレイラ・サーレス財団の責任者に着任することから、ジャパン・ハウス館長を来年3月に辞める事になったと、さりげなく報告があった。思えば昨年6月に平田アンジェラ氏が電撃退任し、同10月にアラウージョ氏が就任したばかり。たった1年で「別の仕事」に変わることに。韓国文化院からの政治的な圧力が強まる中、ジャパン・ハウスの将来は大丈夫?