INB=ブラジル紅白で紅組勝利=コロニア歌手総出演の「響演」=援協創立60周年で特別企画

最後に歌手と観客で『蛍の光』を大合唱して幕を閉じた

 ブラジル日本アマチュア歌謡連盟(Instituto NAK do Brasil=INB/北川ジューリア好美会長)と藤瀬圭子プロダクションは共催で、年末恒例の歌謡祭「第25回ブラジル紅白歌合戦」を1日、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会大講堂で開催した。日系社会の歌手が総出演し、会場には拍手喝采が響いた。特別企画、新企画も行われ、紅白戦は紅組が制した。
 当日は60組以上、約70人が歌声を披露。会場に約1200人が詰め掛けた。各日系団体代表者らが審査員を務め、紅白戦は紅組が11回目の優勝に輝いた。
 今回は「サンパウロ日伯援護協会創立60周年記念」と題し、特別企画を実施。与儀上原昭雄援協会長、菊地義治援協評議員会会長らが登壇して援協の歴史を振り返り、日系社会への感謝を述べた。
 1971、73年に日本の一流芸能人14人が来伯し、援協主催でサンパウロ州・市や日系社会の福祉団体が協力して、日伯両国の福祉団体への慈善事業として「あゆみの箱チャリティショウ」が開催された。その再現として、ショーで歌われた曲が、日系歌手の歌声でよみがえった。
 今年で25回の節目を迎え、新企画「デュエットで競う紅白歌合戦」も開催。紅白計6組が歌声の共演を聞かせた。
 平田ジョエさんと伊藤カレンさんによる特別演出のショーも行われ、セリーヌ・ディオンの代表曲『To Love You More』を共に歌い上げた。
 総合司会を藤瀬さん、紅組司会を田代勇子さん、西村まゆみさん、白組司会を高畑正二さん、川本豊さんが務め、藤瀬さんは紅白司会者との軽快なやりとりで会場を盛り上げた。
 全プログラムの中で最高得点を獲得した歌手に贈られる「審査員最優秀賞(土本真澄賞)」には、『瞼の母』を披露した加藤テレーザさんが選出。
 野口泰在サンパウロ日本国総領事も中島みゆきの『糸』を熱唱した。
 終演後、関係者で行われた祝賀会で北川会長は、「北川朗久INB名誉会長企画のデュエットも盛り上がり、今回が最も素晴らしい紅白歌合戦になった。バンドの半年間にわたる練習の成果も実り、素晴らしい歌声と調和した」と絶賛。北川朗久INB名誉会長は病気療養のため、出席がかなわなかった。
 菊地評議員会会長は「援協の60年は日系社会の皆で作ってきた。最初は小さい組織だったが、今や2千人の職員を抱えるほど成長した。皆さんも調子が悪くなった時にはどんどん利用し、元気になって日系社会を活性化させてほしい」と語りかけた。
 当日は援協のために保存食の持参が呼びかけられ、集まった保存食は北川会長、藤瀬さんらから、菊地評議員会会長らに贈られた。

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 1日の「第25回ブラジル紅白歌合戦」では、歌手の登場に合わせて客席から「頑張れー!」と声援が送られ、各曲の終わりには、歌手を褒めたたえる口笛や歓声も聞こえた。歌手と観客の距離も近く、曲中に掛け合いをするなど、日本の本家NHK紅白歌合戦とは異なる臨場感があった。これぞ観客参加型の「コロニア版紅白歌合戦」の楽しみ方か。