藤瀬圭子プロ・INB=第25回ブラジル紅白歌合戦=紅組が11回目の優勝決める!=コロニア歌手が次々に名曲披露=藤瀬さん「日本の言葉と歌残したい」

歌手と観客で会場が一体となって『蛍の光』を合唱し、紅白は幕を閉じた

 コロニアの一年を締めくくる歌謡祭「ブラジル紅白歌合戦」――藤瀬圭子プロダクション(藤瀬圭子代表)とブラジル日本アマチュア歌謡連盟(Instituto NAK do Brasil=INB / 北川ジューリア好美会長)は、「第25回ブラジル紅白歌合戦」を12月1日にサンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会大講堂で開催した。企画、構成、演出は同プロダクション。コロニア歌手が数々の名曲を熱唱し、会場に歌声と拍手喝采が響きわたった。厳正な審査の結果、紅組が11回目の優勝に輝いた。

 当日は、舞台で熱唱する60組以上の歌手を、日系団体代表者ら約30人が審査し、紅組が優勝に輝いた。NHK寄贈の栄えある優勝旗とINBによるそれの2つが、北川INB会長から紅組代表に手渡された。対する白組の成績はこれまで13勝、1引き分けだ。
 全プログラム中で最高得点を獲得した歌手に贈られる「審査員最優秀賞(土本真澄賞)」には、母への思いが込められた『瞼の母』を股旅姿で披露した加藤テレザさんが選ばれた。

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 当日は約1200人が来場し、歌手と観客の掛け合いや、「頑張れ!」「ブラボー!」と客席から歌手への声援も飛び、雰囲気をもりあげた。
 総合司会を藤瀬さん、紅組司会を田代勇子さんと西村まゆみさん、白組司会を高畑正二さんと川本豊さんが務め、藤瀬さんの歯切れ良く軽快な進行で、会場は終始笑いと感動に包まれた。

特別企画の豪華2本立て

援協創立60周年記念企画も行われた(前列左から足立弘子さん、足立操援協事務局長、菊地義治評議員会会長、与儀上原昭雄会長)

 サンパウロ日伯援護協会創立60周年を記念した特別企画「援協60年を省みて」、紅白歌合戦開催25回目を記念した北川朗久INB名誉会長考案の新企画「デュエットで競う紅白歌合戦」も実施された。
 援協の企画では、与儀上原昭雄援協会長、菊地義治評議員会会長、足立操事務局長と弘子夫人が登壇。援協のこれまでの歩みを振り返った。
 与儀会長は「援協は日系社会の大きな支援で成長してきた。今後も未来に向けて、皆さんの力を借りながら頑張っていきたい」と謝意を示した。
 1971、73年に日本の有名歌手・俳優14人が来伯し、援協主催でサンパウロ州・市や日系社会の福祉団体が協力して、日伯両国の福祉団体への慈善事業として「あゆみの箱チャリティショー」が開催された。
 高畑正二さん、早藤アレシャンドレさん、喜納光枝さん、栗本紀子さんが春日八郎、渡辺はま子らの名曲を披露。当時の熱気を思い出させた。援協からも感謝の意を表し、弘子さんが『瀬戸の花嫁』を朗々と歌った。
 89年には援協創立40周年を記念し、島津亜矢来伯慈善公演が行われ、収益が援協に寄付されたことにちなみ、桧垣サンドラさんが島津亜矢の『感謝状・母へのメッセージ』を歌い上げ、会場を盛り上げた。

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 病気療養のため欠席した北川朗久INB名誉会長に向けて、出演者一同の思いを込めた花束が、藤瀬さんから北川INB会長に贈られた。足立弘子さんにも出演を感謝する花束が手渡された。
 デュエットの紅白戦では、紅白計6組の歌手による豪華共演に観客は聞き入った。
 平田ジョエさんと伊藤カレンさんが特別出演する歌謡ショーも行われ、セリーヌ・ディオンの代表曲『To Love You More』を平田さんがポ語、伊藤さんが日本語で見事に歌い上げた。
 野口泰在聖日本国総領事も登壇し、中島みゆきの『糸』を熱唱した。
 藤間流日本舞踊学校からも特別出演があり、優雅な舞いが観客の視線を集めた。

藤瀬さん「歌手、来場者に楽しんでもらえて良かった」

藤瀬圭子さんの司会進行で紅白を盛り上げた

 藤瀬さんは「日本の言葉と歌を残していきたい」と、紅白の全編を日本語で行うことにこだわっており、終演後は「今回も多くの歌手、来場者で楽しんでもらえて良かった」と一日を振り返った。
 菊地援協評議員会会長は「紅白が毎年続いていることは素晴らしい。歌は人々を嬉しくも寂しくもする。心に豊かさをもたらし、ひいては日系社会を元気にする」と紅白の意義を述べた。
 INBで歌唱を習い、「今日は先輩方の歌声を聞きに来た」という佐久間淑子さん(85、岐阜県)は、「懐かしい名曲ばかりで、思い出がよみがえり涙が出た」と感動を語った。
 開催にあたっては、援協への食料品の寄付が呼びかけられた。当日来場者が持参した米、パスタ麺などが藤瀬さん、北川INB会長らから、菊地援協評議員会会長らに贈られた。