酒井勇之進さん日本舞踊披露=日伯の藤間流関係者が交流

藤間流の舞踊を披露する酒井さん(左)

 公益財団法人オイスカ岐阜県支部の大橋美知子(おおはし・みちこ)事務局次長が、サンパウロ州クーニャなどでの植林活動のため、昨年に続いて約1年ぶりに来伯し、5日から15日まで滞在した。その息子で日本の藤間流舞踊家である酒井勇之進(さかい・ゆうのしん)さん(43、千葉)は、高木ラウル本紙社長の紹介により、藤間流日本舞踊学校の江口桂校長らと交流。8日、サンパウロ市内にある藤瀬圭子プロダクション代表のマンション内サロンで酒井さんが舞踊を披露した。
 酒井さんは、日本の藤間堯鵬(ぎょうほう)師に7年ほど師事している。母親である大橋氏とともに2回目の来伯となった今回、自らの意志で踊りの衣装を持参してきたという。
 8日夕方、オイスカ・インターナショナルの渡邉忠副総裁らの案内により、伯側の江口校長らと交流する機会を得た酒井さんは「黒田節」をはじめ、「武田節」「伊達しぐれ」「佐渡の舞扇」の4曲を披露。居合わせた人々の拍手を受けた。
 江口校長は「落ち着いた良い踊り」と褒め称え、名取の藤間芳琴(よしこと)氏も「ひとふり、ひとふりが丁寧で素晴らしかった」と率直な感想を語っていた。
 酒井さんは「ブラジルに渡った移民の方々の気持ちを思い、今回の訪問では自分から提案して舞踊を行う準備をしてきた」と思いを語り、大橋氏も「こちらの方々は現在の日本にはない、日本への強い思いがあり、感激しました」と話していた。
 当日は準備の都合などで伯側の舞踊は披露されなかったが、今回をきっかけに、今後さらに日伯双方の交流を深めていくことが確認された。
 なお、藤間流日本舞踊学校の新年踊り初めが1月12日、サンパウロ市リベルダーデ区の文協2階貴賓室(Rua Sao Joaquim, 381)で開かれる。