スマホ時代だからふれあいを=今年も聖南西林間学校で熱い交流

全員で記念撮影

 聖南西教育研究会(岡田エリーナ会長)主催の第26回聖南西林間学校が、12月9日から11日まで、ピエダーデ文化体育協会会館で行われた。この林間学校には、地区の日本語学校生徒(12~15歳)が参加。今年は8校から63人の生徒、16歳のスタッフ10人、教師約20人が参加し、賑やかに3日間を過ごした。
 同研究会では、地区内の生徒交流に力を入れており、「低学年デイキャンプ」「青空スポーツ教室」「お話学習発表会」といった交流行事も行っている。関係者は「これらの行事が日本語学校に通い続ける動機づけになっている生徒も少なくない」と解説する。
 開校式では地元ピエダーデ文協会長が挨拶し、同研究会の岡田会長から「できるだけたくさんの友達を作り、大人になっても心に残る一生の素敵な思い出を作ってください」と呼びかけた。地区の教師が半年以上に渡り、スポーツや工作、肝試し、キャンプファイアーなどの準備をしてきた。
 スポーツでは「タグ取り大会」「タグラグビー大会」や「ペットボトルホッケー大会」を班対抗で行い、応援したり、作戦を練ったり、試合に負けても笑顔で励ましあった。スポーツの勝負を競うだけではない時間となっていた。
 3日間を通して頻繁に雨が降り、キャンプファイアーが危ぶまれた。だが幸い、その時間は雨が止み、盛大に燃え盛る火の周りでフォークダンスを踊り、皆が輪になって肩を組みテーマソングを歌い、感動している顔が見られた。
 3日目は班対抗のダンス発表会が行われ、班それぞれ創作し練習してきたダンスを披露した。班または班員の個性を生かしたユニークな発表もあり、わずかな練習時間にも関わらずどの班もかなり完成度が高かった。

食事も自分たちで作った

 この3日間、生徒たちはスマホ使用禁止の中、自ら起き、共に食事を作り、様々な活動を通じて人との触れ合いや交流の時間にどっぷりと身を浸した。生徒同士の交流や、新しい仲間を作るのはもちろんのこと、協力する大切さ、集団生活に大事な様々な事を学んだ。
 今年16歳でスタッフとして参加したルジーネ・ジョオン君(ピラール・ド・スール校)を始め、ほとんどのスタッフが「来年もスタッフとして参加させて」と熱望し、15歳で今年最後の参加となった西川礼子さん(三世、コロニア・ピニャール校)も「来年はスタッフで参加する」とすでに決めていた。
 閉校式後、帰る際には生徒たちが別れを惜しむ時間が続いた。
 長年参加している教師は「この年頃に、こういった感動体験をすることは、人としてとても大切なこと。スマホの普及や社会風潮の変化もあるが、人として大切なことの本質はいつの時代でもどこの国でもきっと変わらないはず」とこの行事の意義を語った。

皆で出し物も考えて披露