【2020年新年号】明けましておめでとうございます=サンパウロ日伯援護協会会長 与儀 上原 昭雄
みなさま、新年明けましておめでとうございます。
常日頃より、援協に対し、多大なる、ご支援を賜り、篤く御礼申し上げます。
さて、旧年、2019年度の援協の運営全般に就きましては、福祉部門及び医療部門共に不祥事もなく、概ね順調に推移いたしました。
8月12日には援協創立60周年記念式典をサンパウロ市議会議事堂内に於いて開催、日本から日本国際協力財団の秋山進理事長、渡辺光哲副理事長のご臨席を賜り、ブラジル及び日系社会の要人の方々、援協の関係者等々、総勢250名余りの参列者があり、全員で節目の年を祝しました。
又、記念イベントとして日伯友好病院では国際医療学会や国際医療シンポジウム等も開催されました。
昨年の活動を具体的に列挙しますと、福祉部門では公益社会福祉法人認定審査の厳格化に対応すべく、あけぼのホーム、さくらホーム、サントス厚生ホーム、奄美事業所の4施設をサンパウロ日伯援護協会から、日伯福祉援護協会に移管する作業を加速させ、又、諸般の事情から、やすらぎホームの活動を9月末を以って終了し、さらに奄美事業所の青少年社会福祉活動は7月初旬の市との契約完了を以って終了いたしました。
現在、日伯福祉援護協会に属する施設はスザノイペランジャホーム、サントス厚生ホーム、さくらホーム、あけぼのホーム、奄美事業所の5施設で、奄美事業所では新たな社会貢献事業を準備中であり、又、やすらぎホームの跡地を再利用しての新たな福祉事業の構築も検討中であります。
医療部門では日伯友好病院は好調な決算が続き、将来の医療ニーズの変化と多様化にも対応すべく、現病院に隣接する新病棟の建設工事が予定されており、12月11日には山田彰駐ブラジル日本国大使閣下、野口泰在サンパウロ日本国総領事殿をはじめとするブラジル国内外の要人の方々ご臨席の下、厳かに定礎式が執り行われました。
この新たなプロジェクトでは周辺に点在する30余りの診療所全てを病院本部ビル内に集約・一元管理するとともに手術センターの拡充、最新鋭のトモグラフィー(CTスキャン)、移動式レントゲン機器、乳がん検査機器、NMR装置(核磁気共鳴装置)等の導入、さらには病院本部ビル内の配置転換を行ない、尚一層の機能の効率化と利便性の向上を図る狙いがあります。
一方、2013年以降、国内病院格付け認定機関からは最高認定を授与され、さらに上級の病院の認定である国際認定機関(Accreditation Canada )の認定も取得できました。
又、サンパウロ州政府との提携事業であるPIPA(自閉症児療育施設)では、事業拡大のためPIPA本部ビルの建設計画が進行中で、12月4日には定礎式がしめやかに執り行われました。PIPA事業は日本政府、サンパウロ州政府のみならず連邦政府も注目しており、ブラジルに於ける自閉症対策の中核として今後の事業の拡大・発展が期待されます。
このように援協は絶えずブラジル社会の時流を見据えた組織体制作り、事業再編成を行い、援協精神の原点であります「高齢者及び社会的弱者の救済援護」事業を充実・発展させていくために引き続き、努力・精進してまいります。
結びに、皆様のご多幸とご繁栄をご祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。