夏場の感染症等に注意を!=デング熱や食中毒、熱中症

デング熱などを媒介するネッタイシマカ(Portal Brasil)

 サンパウロ市保健局によると、サンパウロ市では2019年のデング熱患者が前年比2700%増え、1万6815人が罹患、内3人が死亡したと、6日付現地紙サイトが報じた。
 デング熱やジカ熱、チクングニア熱など、蚊が媒介する病気、ヴィローゼと呼ばれるウイルス性感染症、熱中症は夏に増える病気の代表格だ。
 蚊が媒介する病気は、蚊の幼虫(ボウフラ)の発生を避けるのが最も身近な防衛策で、家庭や地域が一体となり、溜まり水ができないよう、注意する必要がある。
 だが、雨が降る機会が増え始めたのに、瓦礫などが捨てられ、ボウフラの発生源となるような溜まり水が多数出来ている場所は少なくない。サンパウロ市ベラ・ヴィスタ区では6日、子供達が良く遊ぶ公園の傍の空き地で、無数の溜まり水が出来ているのが見つかった。
 また、気温が高くなると、暑さのために体力が落ち、免疫力が低下し易い上、ウイルスやバクテリアも容易に繁殖するため、下痢、嘔吐、発熱、食欲不振、腹痛、頭痛、筋肉痛、目の奥の痛み、咳やくしゃみなど、ヴィローゼと呼ばれる症状に悩む人が増える。
 パブロ・ダレッサンドロ君(11)は4日に腹痛を覚えた後、嘔吐なども始まって夜も眠れなくなり、明け方4時頃に病院に運ばれた。腹部レントゲン撮影などの後、暑さや旅行に伴う疲れと食中毒が重なったと判断した医師は、脱水症状を起こすのを避けるため、点滴を打つよう命じた。
 また、海岸やプールなどで遊んでいる時にかかり易い病気には日焼けや熱中症がある。日差しが強くなる時間帯は直射日光を避け、日陰を探す、充分に水分をとる、こまめに日焼け止めを塗る、肌が赤くなり、熱を持ち始めたら、抗炎症タイプのローションを使うなどの工夫を凝らし、重症化を避けたいところだ。
 長距離の移動に伴う疲労が事故に繋がる事も多いため、睡眠を充分にとる、移動計画にゆとりを持たせるなどの注意も必要だ。訪問先で流行している病気の有無を調べ、必要ならば予防接種も受けるなどの事前の準備も心がけたい。
 また、夕立や集中豪雨などによる洪水や濡れた路面でのスリップ事故、土砂崩れなどに対する注意も必要だ。