アチバイア=「第1回ブラジル和太鼓の集い」=11団体が参加、交流深める=「わだん」がワークショップ

イベント参加者ら

イベント参加者ら

 「わだん太鼓アンサンブル」(代表=青山明奈さん、淳さん、以下わだん)とアチバイア川筋清流太鼓は「第1回ブラジル和太鼓の集い」を18、19両日、サンパウロ州アチバイア市で開催した。18日は参加団体向けにワークショップを開き、19日には合同演奏会を開催した。11の和太鼓団体から約40人が参加し、交流を深めた。

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 18日のワークショップはアチバイア日伯文化体育協会(ACENBRA)の別館で行われ、わだんのメンバーが参加者に太鼓、篠笛などの演奏を指導。19日は市内の会議場で、有志による合同演奏会を行った。

 大太鼓の指導を行った淳さん(30、二世)は「太鼓を打つ姿勢、腕や肩の使い方など、基礎に重点を置いた」とし、参加者は淳さんの実演を含めた説明を見聞きし、実践した。

 ワークショップの最後には、参加者一同で演奏を行い、一日の成果を確かめ合った。

 サンパウロ州内の団体がほとんどを占める中、アマゾナス州都マナウスからも太鼓団体「風河火山(ふうがかざん)」のメンバー6人が来聖。その1人の野沢リンコンさん(27、三世)は「様々な技術を習得して、他団体との関係を築いて帰りたい」とした。風河火山では約20人のメンバー間で指導を行い、外部から指導を受ける機会は1、2年に1度という。そのため今回のイベントは貴重な機会だ。

 サンパウロ州インダイアツーバを拠点とする「龍太鼓(りゅうたいこ)」の奥村健二さん(20、二世)は、友人に誘われ3年ほど前に太鼓演奏を始めた。「太鼓を打つ姿勢が今まで教わったものと違い、参考になった。違いの中から良い部分を取り入れたい」と収穫があった様子。

 龍太鼓は結成して5年ほどになるが、ここ数年は指導者がおらず、他の太鼓団体と掛け持ちするメンバーが、他団体で教わった技術を伝える形で練習を行っている。

 同じく龍太鼓の高橋光さん(たかはし・ひかり、14、四世)は「皆で一緒に演奏することで絆が生まれる瞬間が嬉しい。演奏中は他のことを忘れて夢中になれる。帰ったら吸収したことをメンバーに伝えたい」と太鼓演奏の醍醐味を語った。

 淳さんの姉の明奈さん(33)は「イベント前は期待と不安、緊張でいっぱいだったが、イベントが始まったら楽しくて仕方なかった」と満面の笑みを見せた。淳さんは「参加者がそれぞれ自分の団体に良いものを持ち帰ってくれたら」と思いを語った。

 明奈さんらの父親でイベントを手伝う明政さん(71、愛知県)は「他団体と関わることがないと、客観的に自分の団体を見て比較する機会がなく、自分たちの技量も分からず上達の意欲もわかない」とイベントの意義を述べた。

 参加した11団体は「いきおい太鼓(だいこ)」「気炎太鼓(きえんだいこ)」「急流太鼓(きゅうりゅうだいこ)」「心響太鼓(しんきょうだいこ)」「日昇和太鼓(にっしょうわだいこ)」「風河火山」「瑞穂和太鼓(みずほわだいこ)」「三ツ葉(みつば)」「龍太鼓」「若太鼓(わかだいこ)」「鷲太鼓(わしだいこ)」。

 以前から、同地周辺の川筋清流太鼓系の団体が中心になって交流を行う同様のイベントが毎年開催されてきたが、参加団体の移り変わりを受け、今回イベント名を一新して開催した。

 

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 「第1回ブラジル和太鼓の集い」のワークショップの最中、参加者がばちを床に置いたのを見て、青山淳さんが拾うように促す場面があった。青山さんは「演奏だけに集中するのではなく、道具を丁寧に扱うことも大事」とその場にいた参加者に語りかけた。より良いパフォーマンスのためには、練習に臨む姿勢から見直すべきということか。