《ブラジル》コロナウイルス=国内で9人に感染疑い=高まり迫る感染の脅威=中国滞在者の声拾うマスコミ

マンデッタ保健相(Agencia Brasil)

 【既報関連】現在、全世界で猛威を振るっているコロナ・ウイルスに関し、ブラジル保健省が29日の夕方4時に発表したところでは、感染の疑いのある患者は9人に増えた。9人の内訳は、ミナス、リオ、パラナ、セアラー各州で1人ずつ、サンパウロ州で3人、サンタカタリーナ州で2人だ。保健省によると、33人が症状を訴えるも、20人が検査の必要もなくコロナ・ウイルスではないと診断。残る13人の内4人が検査の結果コロナ・ウイルスではないとされ、9人が検査待ちだ。感染の脅威が高まる中、ブラジルのマスコミは懸命に中国滞在者の証言を拾っている。

 ミナス州の女性の場合は、症状は風邪のような状況で安定はしているというが、コロナ・ウイルスと共通した症状があることから、現在、入院中の専門病院で隔離された状況にある。
 南大河州の人物は40歳の英語の教師をしている男性だ。同氏は武漢から1500キロ離れた昆明で普段は生活しており、24日にブラジルに帰国。その際に発熱を訴えていた。現在、病院で隔離された状態にある。
 なお、クリチバの人物に関しては、詳細は明らかにされていない。ただし、フォーリャプレス29日配信記事よれば、パラナ州保健局は同日午前付の発表で、「コロナ・ウイルスではなかった」と公式発表した。
 ルイス・エンリケ・マンデッタ保健相は28日、「私たちは、不測の事態にも対応できる計画を持っており、それを更新することもできる」として、コロナ・ウイルスの対応に自信を持っているとの考えを示した。
 同相は「保健省には7千件を超える感染の噂が飛び交い、約120人もの人が検査を希望している」と語り、現在、伯人が同ウイルスに関してかなり神経質になっていることをうかがわせた。
 マンデッタ保健相は当面の予防対策として、「しばらくの間は、できる限り中国への渡航は行なわない方がいい」との見解を示している。
 発生地となった武漢の位置する湖北省には、伯人の一家が70世帯ほどいるとの報道もある。
 G1サイト28日電子版記事では、武漢にマンダリンを勉強に行った学生、エルナンデス・ドス・サントス・ミゲルさん(23)に取材し、「ボクが来たときの喧騒とは別世界。大通りに誰も人がいない。まるで映画に出てくる『世界の終わり』の一場面のようになっている」とのコメントを掲載した。サンパウロ州サンジョゼ・ド・リオ・プレット出身で、4カ月前から大学に留学し、国際学生寮に住む。
 「極力外出しないように指導されている。唯一賑わっているのは病院と市場。ボクも市場に行ったが野菜も水もなかった。中国人の大部分はパニックに陥っており、皆が買い込んでいるようだ」と同サイトの取材に証言した。
 エスタード紙29日付も中国に滞在するブラジル人3人の声を掲載した。その一人、北京在住のデニーゼ・メロさん(25)に「中国に親戚がいるブラジル人の皆さん、パニックにならないで。決して悲劇的な状況ではないから」と語らせて締めくくっている。