リオ大都市圏=浄水場周辺に大量の洗剤=一時的に取水停止措置も

 【既報関連】水に色がつき、土のような味や匂いでも問題になったリオ大都市圏の水問題で、新たな安全性の不安が生じて、取水が一時的に停止される騒ぎが起きたと3~4日付現地紙サイトが報じた。

 バイシャーダ・フルミネンセ地区ノヴァ・イグアスー市のグアンドゥ浄水場では水の色や味、匂いが年頭から問題になっているが、3日午後は、取水中の水に大量の界面活性剤(洗剤)が流入したため、取水と給水を停止すると発表された。

 取水は4日朝9時頃に再開されたが、15時間近い断水で、同浄水場から水の供給を受けている地域では、水道から水が出なくなったなどの苦情が相次いだ。同浄水場の水は、リオ市だけでも住民の約80%が利用。リオ大都市圏の8市900万人に影響が出た。

 浄水場が取り込む水に大量の界面活性剤が含まれている事は、浄水場付近の川の水面に大量の白い泡が現れた事などで明らかになった。同州水道公社(Cedae)は3日、安全性確保のために取水口を閉じ、水の供給も止めると発表。市民にも節水を呼びかけた。

 Cedaeは、同件をエネルギー及び基礎衛生のための規制機関(Agenersa)と州環境研究所(Inea)に届け出ており、4日には市警も現場に赴いた。

 Cedaeでは、大量の洗剤流入は2日の豪雨の影響と見ている。3日は白い泡が山のように盛り上がった箇所があった川も、4日朝は白い泡の筋と油のしみが見える程度になっていた。

 今回の取水停止とそれに伴う断水は、カーニバルが迫っている時期だけに、当局を心配させた。同市市役所は、1月12日にプレイベントを開くなど、積極的な集客活動を行っており、カーニバルを目的とする観光客は昨年比20%増の190万人と見込んでいる。

 なお、年頭から続く色や匂い、味の問題は、生活排水の垂れ流しなどで栄養分過多となった水に発生する藻や菌が放出するゲオスミンが原因だ。

 Cedaeでは、活性炭を使う浄水装置も併用し、取水口に至る湖に化学処理を施した粘土をまくなどの工夫を行っているが、完全解決には程遠い。州政府は公社の理事解任なども行ったが、最初の問題が完全に解決しない内に発生した断水問題で、市民からの不満の声が高まっている。