コロナウイルス=ブラジル政府が緊急事態宣言を発令=救出機の経由地はイスラエル

 【既報関連】ブラジル政府は3日、中国で発生しているコロナウイルス肺炎の世界的拡大を受け、「ブラジル領内における公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。3、4日付現地各紙・サイトが報じた。

 ルイス・エンリケ・マンデッタ保健相は、これまで2としていた警戒レベルを、最大の3に引き上げることも発表した。

 4日の段階では、コロナウイルスに感染した疑いがあり、検査中の人は13人いるが、感染確認者はゼロだ。それにも関わらず、緊急事態を宣言したのは、中国に取り残されているブラジル人を救出したり、ブラジル国内の医療体制を整えたりするための手続きがスピードアップできるからだ。緊急事態宣言下では、公費で医療用資材を購入する際も公開入札を行う義務がない。

 政府はまた、武漢から帰国したブラジル人に検査を受けさせ、結果が出るまでの期間中隔離することの法的整合性を定めた法案を議会に提出した。

 これは本来、暫定令(MP)で対応される予定だった。MPは即日発効し、議会承認はその後120日以内に行えばよい。

 しかし、ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は、「MPは特別委員会にかけねばならない。通常法案の方が採決が早く行える」とした。

 保健省は、帰国者受け入れ候補地の視察を早急に行う。また、中国からブラジルに飛ぶ際の経由地として、空港の利用を許可することを申し出たのはイスラエルだったことも判明した。

 ブラジル政府は、武漢にいるブラジル人は55人で、内40人が政府の用意した飛行機を使っての帰国を希望していると見込んでいる。