《ブラジル》サンチアゴ下議が停職回避 下院が最高裁の処分を覆す

 5日、下院で、汚職疑惑で停職を命じられたウイルソン・サンチアゴ下議(ブラジル労働党・PTB)に対する最高裁の暫定令を認めるかの投票が行われ、停職に反対が賛成を上回り、最高裁の判断を覆した。6日付現地紙が報じている。

 下議の大半は、報告官を務めるマルセロ・ラモス下議の「下院倫理委員会で審理すべき」、つまり「下院議員の処遇は少なくとも下院の倫理委員会にかけて判断すべき」という見解に賛同しており、暫定令通り罷免するのに賛成は170票、罷免に反対は233票、投票棄権が7票で、罷免反対が賛成を上回った。

 同下議が罷免されるには、下院の過半数の257票が必要だった。この日の投票は欠席者が目立っていたという。

 サンチアゴ下議は「ペス・デ・バロ作戦」の捜査対象となり、パライバ州の事業での水増し請求で不正に得た120万レアルを賄賂としてばら撒いた容疑で起訴された。同下議は昨年12月に、最高裁のセウソ・デ・メロ判事が出した暫定令で停職処分となっていた。

 4日には連邦検察庁が最高裁にサンチアゴ氏が署名した300レアルの小切手などの資料も送付したが、下院は、同下議は充分な自己弁護の機会を与えられなかったとみなしている。

 サンチアゴ下議では昨年、政党再編成案に関する報告官を務めており、中道勢力のセントロン内での調整役も果たしていた。汚職捜査は続くが、今回の採決により、同下議は通常の活動に戻る。