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《ブラジル》最高裁=定年退職者が再就職したら?=有利な年金への変更は認めず

定年退職後も職を探す人の列は絶えない(Arquivo/Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 最高裁が6日、現行法では、定年退職者が再就職した場合に、それまでもらっていた年金をより有利な条件の年金と取り替える事は認められないとの判断を下したと6、7日付現地紙、サイトが報じた。
 年金だけでは暮していけない場合や、家でじっとしているより働きたいと考えた場合など、定年退職者が再就職するケースが増えている。
 だが、既に年金をもらい始めていたのに、再就職したから年金は要らないといって受給を断り、再度退職する時まで、新たに積み立てた分を加算してより条件の良い年金を受け取る可能性は、2016年10月の最高裁判決で否定された。これを不服とし、より明確な方針を示すよう求める全国年金・恩給生活者協会が、判決の見直しを求めたのが6日の裁判だ。
 年金の見直しは、定年退職した年金受給者が再就職した場合や継続勤務した場合に起こり得る。
 定年退職して年金を受け取っていた人が再就職した後、再び年金受給手続きをする場合に、最初の年金手続きまでの就労年数や給与は計算に入れず、再就職後の就労年数と給与(一般的に最初の計算時の給与より高額)を基に年金額を計算する場合を、定年退職者の再退職(reaposentacao)と呼ぶ。
 他方、再就職によって積立期間が延びた分を最初の年金受給までの積立年数に加算し、より有利な条件で年金を受け取ろうとする例は、退職取消(desaposentacao)と呼ばれる。こちらは、16年の最高裁審理で、計算をし直すための明確な基準を定めた法律が必要と判断され、実質的に否定された。
 今回の審理では定年退職者の再退職が問題とされ、いったん年金を受け取り始めたら、再就職しても、年金額は変更されない事になった。
 一例を挙げれば、20歳で就職し、30年間勤めれば、50歳で年金受給を申請出来るが、そのままさらに15年間働くと、最後の15年間の給与を基に年金額を算定してもらえる。この場合の年金額は、最初の30年間だけでもらえる年金額を上回る計算になる。
 最高裁はまた、定年退職者の再退職や退職取消でより有利な条件の年金を受け取っていた人は、差額分を払い戻す必要はないとの判断も下した。

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