石川レナト氏がサンパウロ名誉市民章=「社会のために尽くしたい」=文協大講堂で盛大に授与式

石川レナト氏と来賓らで記念写真

 ブラジル日本文化福祉協会の会長及びサンタクルス(SC)病院の理事長を務める石川レナト氏(81、二世)のサンパウロ名誉市民章授与式が、今月12日夜に文協大講堂で開催され、約500人が祝いに駆けつけた。野村アウレリオ・サンパウロ市議が推薦した。
 来賓の野口泰在サンパウロ日本国総領事は、「石川氏はNEC・ド・ブラジルの社長時代には、ブラジルへ日本のシステムを導入させた。近年はサンタクルス病院の経営を立て直し、日本の大学と学術的交流を強めた」と手放しで称賛した。
 さらに「文協の会長に就任して1年しか経っていないが、ここでも経営手腕を発揮している他、若者の活躍を後押ししている。また、全伯の日系団体をまとめ上げている」と功績を称えた。
 日本の筑波大学の大根田修国際室長は「去年ラグビーW杯が日本で開催され、『1チーム』という言葉が有名になった。彼はそれをブラジルで実行している」と称えた。
 サンタクルス病院の副理事長で弁護士の二宮正人弁護氏は、出席が叶わなかった山田彰駐ブラジル特命全権大使の手紙を日本語とポルトガル語で代読し、「石川さんにこの章はふさわしい」と読み上げた。
 石川氏は来場者全てに感謝を述べた後、今までの人生と成し遂げてきた功績を振り返り、「まだ私は若く、まだ人生の最後のプランは見えていない。ずっと社会のために尽くし働きたい」と若々しく締めくくった。

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 その後、野村市議から石川氏へ表彰状が手渡された。文協女性コーラスや、来伯したペルー日系人協会のアベル・フクモト会長らが花束を贈り、石川氏は妻ケイコ・オルガさんと共に受け取った。また、環境芸術家の豊田豊さんからは絵画をプレゼントされた。
 石川氏は、日系人としてNEC・ド・ブラジルで初めて社長に就任した。NECを引退後は日系社会で精力的にボランティア活動を行い、文協の会長とSC病院の理事長を務める傍ら、不動産開発業等を手掛けるCNL社とコーヒー生産や牧畜を行うアリアンサ農場を経営している。
 来賓には、ブルーノ・コヴァス市長代理のロドリゴ・マッシ氏、元サンパウロ州高等裁判事の渡辺和夫氏、二宮氏等も登壇し祝辞を述べた。

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 今月12日夜に文協大講堂で行われた石川レナト氏(81、二世)のサンパウロ名誉市民章授与式に出席した、日本の筑波大学の大根田修国際室長は、「ここに座ってください、といきなり今日言われた。石川さんはいつも私を驚かせる」と言い、会場の笑いを誘っていた。今回の来伯はサンタクルス病院との打ち合わせだったそうで、大根田国際室長を驚かせようと石川氏が内緒で授与式出席を仕組んでいたのだとか。してやったりとの笑みを顔に浮かべていたのが、いつまでも“若い”、いたずら好きな石川氏らしいところか。