《ブラジル・マラニョン州沖》大型鉱物タンカー沈没の危機=環境被害はまだ確認されず

 30万トンの鉱物積載能力を持つ韓国籍のタンカーMVステーラー・バナー号が、ブラジル北東部マラニョン州沖で沈没の危機にあると、26、27日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
 この船はブラジルの鉄鉱公社Vale社と契約しており、マラニョン州都サンルイス市の港湾ターミナル、ポンタ・デ・マデイラで、鉱物を積み、中国に向けて出航した。
 だが、24日午後9時半頃、船体が海底に接触したため、船の乗組員らが調べたところ、積荷搭載部分への入水が確認された。
 船長は沈没を避けるため、船体を沖合い100キロの砂地に乗り上げ、傾いた形で停泊させた。
 通報を受けた国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)は救助船とヘリを現場に派遣。乗組員20人は全員救助された。現在はブラジルの海洋警備当局が環境被害を食い止めるために活動している。
 海軍は2カ所から何かが漏れているというが、漏れた物や量は判明していない。上空視察を行ったIbamaは、油流出による海洋汚染は認められなかったとしている。
 船の管理・運航を担当するポラリス・シッピング社(韓国)は、船倉は損傷しておらず、状況はコントロールできているとしている。Vale社は環境被害を防ぐための資材を積んだ船舶を現場に向かわせた。
 ブラジル海軍はポラリス・シッピング社と契約したアルデント・グローバル社と会合し、船の引き上げ計画の提出を求めた。アルデント社は船体の調査が必要とし、既に引き上げオペレーションを実行する会社と契約をしていると海軍に伝えた。