西森下議「税制改革は6月までに通る」=パラナ兵庫50周年に腕まくり=「舌禍あるが政権の方向正しい」

「問題発言は多いが、ボルソナロ政権の方向性は正しい」と語る西森ルイス下議

 「今年はパラナ州兵庫県姉妹提携50周年を盛大にやりたい」。西森ルイス弘志連邦下院議員(70、二世、PR)は13日に来社し、今年の意気込みをそう語った。3月にはパラナ州知事夫妻が訪日し、井戸敏三兵庫県知事と懇談する予定があり、8月には井戸知事が来伯して同50周年式典を州議会などで盛大に開催するべく準備が進められている。「今までやってきたことを見直し、今後の方針を決める大事な節目の年になる」と見ている。

 市ベレルの姉妹都市提携はマリンガ/加古川、ロンドリーナ/西宮、クリチーバ/姫路、パラナグア/淡路が結ばれ順調に交流を進めている。それに加えて、新たにカスカヴェルも県内都市と提携を結ぶ話が進んでいるという。
 「今年は在日ブラジル人コミュニティ30周年の年でもある。在京ブラジル大使館が何か記念行事をやろうと頑張っている。こっちからも日系歌手を送り込むとか、日本の都市で友好行事をする何かを考えたい」と模索している。
 昨年6月のG20大阪サミットでは、ボルソナロ大統領がした首脳会談すべてに同席した西森氏。「安倍総理にも直接、『特定技能』制度にブラジルも入れてくれるようにお願いしている。もうデカセギの時代は終わった。日系人に限らない制度なので、ブラジル人なら誰でも3年間とか日本で働いているうちに、あちらの文化や良さを体験して日本ファンになって帰ってくるようになる。条件が厳しすぎて訪日者が増えない四世ビザの問題も解決する」と見ている。
 この『特定技能』は昨年4月から始まった制度で、人材不足をカバーするための労働力となる外国人労働者を入れるもの。以前からある『技能実習制度』の方は「研修」が建て前である点が異なる。『特定技能』は現状、対象国はアジアに限られており、西森議員は「ブラジルも」と検討をお願いしている。
 ブラジル内については「昨年は社会保障改革を通した。今年は6月までに税制改革を通す予定。マイア下院議長は4月中に通すと張り切っているが、さすがに難しいと思う。でも審議時間を短縮するために、上下両院で改革案を練っており『6月までには通すべき』というのが議会内の雰囲気。6、7月には民営化案件の審議を本格化させ、外国からの投資誘致につなげたい」との見通し。
 「政治家は8月から10月まで地方選挙にかかり切りになるから、連邦議会は動かない。おそらく行政改革はその後になる。だから今年中に通すのは難しいのではないか」と見ている。
 さらに「ボルソナロ政権の成果は徐々に出ている。ブラジル・リスクやSelic(基本金利)、インフレははかつてないほど下がり、コントロールされている。問題は失業率の高さ。民営化を進めて、外国投資を増やすしかない。いろいろな舌禍事件は起きているが、政権の方向は正しい」と締めくくった。