《ブラジル》年金などの審査待ち188万人超す=職員の臨時雇用は4月に開始

 【既報関連】ブラジルでは、国立社会保険院(INSS)に年金や恩給などの受給申請を行ったが審査待ちの人が188万人を超え、その中の125万人は、申請から45日以上返答がないままに置かれている。連邦政府は4月17日から、INSS元職員や予備役軍人を臨時雇用して、審査をスピードアップする体制を整える予定だと、3日付現地紙が報じた。
 経済政策班は、今年10月までの半年間で、現在は平均80日かかっている審査時間を、20~25日に短縮することを目標としている。
 ボルソナロ大統領は2日、INSSを念頭に入れ、「行政手続きの遅延や蓄積した仕事量解消のため、一時雇用者を用いたタスクチーム結成を認める」とした暫定令(MP)を出した。
 レオナルド・ロリンINSS所長は、「審査待ちの列を遅くとも6カ月以内に解消することが目的」と語る。
 臨時職員の募集要項は3月20日までに発表される予定で、採用は総合職と、障害や疾病に関する監査や申請書類の審査に特化した職の二つに分けて行われる。
 総合職の募集定員は、INSS内部で働く人7400人、その他の社会保障関連機関で働く人820人だ。申請の審査や監査を専門に行う職員の募集定員は決まっていないが、1500人程度が採用される見込みだ。
 契約期間は最大で2年間となっており、政府は年内に発生する人件費として2億レアルを見込んでいる。
 申請から45日以上遅れると、受給者に余分な支払いを行わなくてはならないため、それを解消するためなら追加スタッフの人件費も割に合うというのが政府の見解だ。