長崎県人会総会=「おくんち盆踊り」開始決定=新会長に森繁親氏が就任

森新会長(前列左から3人目)と新役員

 ブラジル長崎県人会の2020年度定期総会が2月25日午前10時から、サンパウロ市ジャバクアラ区の同県人会会館で開かれ、会員ら約40人が出席した。役員改選では、2期4年を満了した川添博会長に代わり、新会長に準二世の森繁親(もり・しげちか)氏(72)が選出された。
 総会は長崎県民歌「南の風」斉唱で始まり、先没者への黙とうに続いて川添前会長があいさつ。2月23日未明のサンパウロ市カーニバルで、原爆をテーマにした「アギア・デ・オウロ」チームに県人会として出演したことに触れた上で、2010~13年、16~19年の計4期8年の会長時代を振り返った。
 「すべてうまく行ったわけではないが、何とか無事に乗り越えられた」と川添前会長。青年たちの加入で活気づいている龍(じゃ)踊りについても言及し、「母県との交流なくして県人会の活動は有り得ない」と、さらなる交流を期待した。

あいさつする森新会長(右奥)

 19年度事業報告に続いて同年度会計報告は、収入17万3007・80レアル、支出14万9981・22レで、前年度繰越金(35万2524・18レ)を加えた37万5550・76レが次期に繰り越されたことがそれぞれ承認された。
 監査意見書の承認後、20年度事業計画案が発表された。例年8月の原爆被爆者関連行事のほか、11月8日に初の「おくんち盆踊り」を実施する予定とし、22年の県人会創立60周年に向けて取り組んで行くことが強調された。
 20年度予算案は、収入16万4610レ、支出16万4368レが見込まれ、審議の上で承認された。
 役員改選では、森氏を会長とする理事会案が発表され、拍手で承認。森新会長は「会計はやったことがありますが、会長となると他の団体との交流など難しいことも増えるので、皆のご支援をお願いします」と協力を求めた。
 新役員(20~21年度)は次の通り(敬称略)。【会長】森繁親、【副会長】栗崎邦彦、和田佐代子、松田憲彦(のりひこ)、牧山エドソン、【会計】牧山エドソン、吉田リツコ、【書記】石川ハケル、ヒロセ・カオリ・タイス

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 長崎県人会の新会長に就任した森繁親氏は長崎県西彼杵(にしそのぎ)郡出身で、幼少期に家族で渡伯。サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市にある自動車プラグ会社のNGKで23年間勤務した後、独立してレストランを15年間経営した経験もあるとか。現在は定年退職しているが、2017、18年には地元のモジ中央日本人会の会長も務めており、長崎県人会では長年にわたって会計理事も務めていたことから、その手腕を期待されて今回初の会長に抜擢された。
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 長崎県人会の総会には、サンパウロ日本人学校校長で長崎県平戸市出身の曽川和則(そがわ・かずのり)氏も出席。今年で教員生活30年目となり、昨年4月に単身赴任した曽川校長は、同年7月の県連主催日本祭りで長崎県人会の「故郷の味」に魅了され、同県人会との交流が始まったとか。現在、同日本人学校の生徒数は約160人と微減傾向のよう。今後、子供たちに南米の原爆被爆者の現状を知ってもらうなど、県人会と日本人学校が何らかの形で交流するのも面白いかも。