《ブラジル》コロナウイルスの感染者急増の可能性=感染経路不明例来週から?

 エンリケ・マンデッタ保健相が11日、今後5カ月位は新型コロナウイルスの感染者が急増する可能性を示唆したと11~2日付現地紙、サイトが報じた。
 同日午後5時発表の感染者は52人だったが、午後9時半には69人に増え、前日発表の34人の倍になった。
 患者急増の要因の一つは、州毎に公共医療体制の充実度が異なり、統一健康保健システム(SUS)での対応能力に限界がある事だ。保健省では先週末、コロナウイルス感染者用の病床を設ける可能性のある医療機関などを検討し、ジェル状のアルコールやマスクの購入継続なども決めた。
 私立だがSUSでの対応も行うサンパウロ市のアルベルト・アインシュタイン病院では、2月以降、2429件の検査を行い、38人の感染を確認。11日は、1日あたりの検査数の上限に近い492件の検査を行ったという。
 同省では、集中治療室の病床2千床をコロナウイルス感染症の患者用に割り当てたり、臨時病院を設置したりする事も検討中だが、これらの諸策を即座に実施できるかは未確定だ。州政府レベルでは、患者急増時は手術延期などによって病床を確保する事を検討しているところもある。
 これまでに確認された感染者は、国外に旅行したり、感染者と接触したりして感染した人ばかりだが、保健相は、来週あたりからは、感染経路の特定が不能な感染者が出始める可能性も示唆。他国では発症前の患者から感染した例があり、感染に気づかないで会合などに出席し、小さなグループ単位で感染が拡大する可能性も高いためだ。
 12日午後4時20分現在の確認済みコロナウイルス感染者は11日5時現在より25人増え、連邦直轄区と9州で77人、擬似症患者は1427人、検査後に感染が否定された患者は1156人となっている。