東西南北

 新型コロナウイルスの感染拡大で世界保健機関がパンデミック宣言を出した翌日の12日、ボルソナロ大統領の訪米スタッフから、まさかの「国外渡航者の感染例」が現れた。罹患したワインガルテン氏はネット上で、トランプ氏と一緒に写った写真や自身が撮影した同大統領の動画も流しており、一躍、世界的な有名人にもなってしまった。また、米国滞在中、同氏の傍にいたボルソナロ大統領の検査結果は、今日、判明する見込み。陰性との結果を期待したいが、かねてからコロナウイルスの影響力を軽視する発言をしていた同大統領だけに、危機を味わったことで対策に関する心がけを変えていただければありがたいが。
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 11日のサッカーのリベルタドーレス杯、サンパウロは、本拠地のサンパウロ市モルンビで行われた対LDUキト(エクアドル)戦を3―0で制し、グループリーグ1戦目の屈辱を果たした。ブラジルではまだ、サッカーの試合もこうして観客を入れてスタジアムで行われているが、欧米やアジアでは既に、サッカーをはじめとした大きな大会が中止、延期、無観客試合に。コンサートなども同様のことが起こっている。ブラジルも楽観はできない。
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 コロナウイルスの感染がアジアや欧州ほどではなかった南米でも、本格的なコロナ流行がささやかれはじめた。これからは、不安な情報を耳にする機会が増えることは間違いなく、収拾にも時間がかかるかもしれない。感染長期化との見方は広がっているから、最悪の事態を考えてパニックになるのではなく、落ち着いた行動で被害を最小限に抑える努力が必要だ。