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JICAボランティア一斉帰国へ=新型肺炎の感染予防のため=10日以内を目処に緊急対処

長谷川雅之企画調査員と門屋篤典次長

 国際協力機構(JICA)は17日、世界に派遣されている海外青年協力隊員(ボランティア)全員を、コロナウイルス感染予防のために一時帰国させることを決定した。ブラジルにいる約90人のみならず、全世界に滞在する1800人近くの隊員が対象。その一時帰国に関する説明のため、JICAブラジル事務所の門屋篤典次長と長谷川雅之企画調査員が来社した。

 門屋次長は、「我々も昨日の昼に『もしかしたら帰国になるかも』と日本から聞き、昨晩『決まった』と知らされました。これからブラジル全州の隊員本人や、お世話になっている日系団体に説明をします。とにかく緊急事態。こんなことは初めてだが、皆さんのご理解が得られるように丁寧に説明していきたい」と深刻な表情を浮かべた。
 世界中に散らばっている隊員の派遣先の中には、医療体制が整っていない発展途上国の場合もある。その場合、感染の疑いがあるとして隊員が現地で隔離されてしまうと、どんな環境で置かれているのか把握するのが難しいケースがあるという。さらに世界各国でウイルス対応が緊迫化しており、いつどこの国の国境が封鎖されるか分からないため、今回は世界一斉に引き上げることになったという。
 現在ブラジルには日本語教師を中心に、日本食、野球、相撲、剣道などの指導をするために約90人の隊員が日系団体に配属されている。
 中でも60歳以上のシニア隊員を優先し、数回にわけて遅くとも10日間以内には全員を帰国させる計画をしている。なお、JICA駐在員は引き続き滞伯する。
 一時帰国する隊員がいつ再来伯して活動再開するかについては「現在未定」。帰国期間中に任期終了を迎える人は、そのまま任務終了となる。さらに、4月に来伯予定だった次の隊員も、現段階では「少なくとも1カ月以上先延ばし」となっている。
 今回帰国する隊員は、まず14日間のウイルス潜伏期間、自宅や宿泊先で待機するように指示がJICAより出されている。それに関連して、隊員の自宅に症状が重症化しやすい高齢者がいる場合はどう対策するかの検討も行われているという。


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 コロナウイルス感染拡大予防措置として、全世界に派遣された海外青年協力隊員の一時帰国が決定された。各国で感染が拡大し、アジア人への差別が散見されるようになっているという。JICAブラジル事務所は、現地で差別を受けたかボランティア本人にアンケートを実施したところ「差別を受けた」という回答はほとんど無かったという。門屋篤典JICAブラジル事務所次長は調査結果に感謝を表し、「改めてブラジルが好きになりました」と目を細めた。

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