《ブラジル》コロナ対策でサッカー場に病院=芝生の上に200人収容テント

本来サッカーが行われる芝生の上に大型テントの骨組みが並べられた(EDSON LOPES JR./SECOM)

 【既報関連】サンパウロ市中心地にある伝統のサッカー場、パカエンブー競技場で22日、本来サッカーが行われる芝生の上に野戦病院型の医療施設の設営が始まった。ここには202のベッドが運ばれる。新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)の感染者が今後急増することが確実視されており、患者の受け入れ用の施設となると、22日付現地サイトが報じた。
 6300平方メートルの仮設テントは、80人が繰り出して建設されている。
 3月22日付のブラジル政府の正式発表では、国内のコロナウイルスの死者は25人に達している。 
 25人の内、サンパウロ州だけで22人が死亡している。同州では、さらに631人がCOVIDー19に感染しているが、症状の度合いは様々だ。
 サンパウロ市は、市北部のアニェンビ複合施設の敷地内にも1800以上のベッドを配置する。
 パカエンブー競技場は民間会社アレグラ・パカエンブーが経営権を取得していたが、緊急事態として、市の要望に応じ、施設利用を許可した。
 パカエンブーとアニェンビー、合わせて2千床が確保されることになるが、これらの施設には、サンパウロ市保健局が、コロナに感染していて、「自宅隔離療養で済むほど症状が軽くはなく」、「UTIや人工呼吸器が必要なほど症状が重くない」と判定した患者が運ばれる予定だ。
 アレグラ・パカエンブーは、仮設構造物の組み立てとテント付きの野戦病院の建設の経験を持つ企業、プロゲンとパートナー関係にある。その事実も、今回のテント設営作業がスムーズに進むことに寄与した。