東西南北

 新型コロナウイルスで最も心配されているのは高齢者への感染だが、現在、ブラジルには一人暮らしをしている65歳以上の高齢者が430万人いるという。G1サイトによると、こうした高齢者は現在、家族や隣人、知人に買い物を頼むなどの工夫をし、極力、外出を避ける生活を送っているとか。取材を受けたリオ州の80代の女性は「皆に助けてもらい、まるでお姫様」という一方、「戦争の頃だって食べるのには困らなかったのに、今は働き口や食べ物さえない人がいる」と、他者のことを気遣っている。こういう人々が犠牲になってしまわないよう、何とか耐えしのぎ、一刻も早く危機が通り過ぎていくのを望みたいところだ。
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 ブラジルでのコロナウイルスも、そろそろ治癒した人たちの談話が聞ける段階に入ってきているが、27日付G1サイトの取材を受けた体験者の話によると、異口同音に「急に空気が遮られて息ができなくなるような感じになる」「熱が出て、頭や体中が痛くなる」などの症状を口にしている。取材を受けた一人は「(ボルソナロ大統領が主張するような)グリペジーニャ(軽い風邪)どころの話ではない」とか。大統領はもっと周囲の人に耳を傾けるべきでは。
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 ボルソナロ大統領とコロナウイルス対策で対立したジョアン・ドリア・サンパウロ州知事が殺人予告を受けたことを26日に検察局に通報し、現在、調査中だ。ボルソナロ氏のツイッターの拡散アカウント(ロボ)では、「ドリア罷免」のハッシュタグも大量にばら撒かれている。政敵を攻撃するより他に、もっとやることがあるように思うのだが。