《ブラジル》コロナ禍=死者の1割は60歳未満=安心できない若者や子供

 【既報関連】ブラジルでの新型コロナウイルス感染症による死者の10%は60歳未満で、子供や若者の感染にも注意が必要と専門家が警鐘を鳴らしている。
 死者の10%は60歳未満である事は、3月30日の保健省の記者会見で報告された。同日の保健省発表によると、死者の85%は、高齢、高血圧、糖尿病、心臓疾患などのリスクを少なくとも一つ持っていた。
 だが、専門家は、外を出歩く機会の多い子供や若者から感染は始まり、あまり外に出ない高齢者の感染は遅れると警告する。3月30日付G1サイトによると、ミナス州ではこの日、最初の死者と、1歳児の感染が確認された。また、同日までの同州の感染者261人の内、211人は20~59歳だった。
 また、3月31日にはリ・グランデ・ド・ノルテ州で23歳の男性が死亡。これまでの死者の中では最年少だ。男性は肥満だったが、他のリスク要因はなかった。男性は3月24日に発症して病院に行き、投薬を受けて帰宅したが、症状が改善せず、3日後に再び病院に行って入院。この時点で検査を受けたが、31日に亡くなった後に、陽性であった事が確認された。
 セアラ州でも40代男性が発症から8日で死亡したし、サンパウロ州で3月31日に確認された死者の1人の女性軍警は、46歳で持病もなかった。
 また、中国や欧米での入院患者を年齢別に見ると、60代1・8%、70代16・6%、80代18・4%だが、50代も8・19%で、決して少なくないという。
 他方、若い人は体力があって回復する例も多いが、ハイリスクの人は免疫力低下で重症化する例が増える。入院から退院までの平均日数は24・7日で、死亡した人の入院日数は平均17・8日だったが、実際には、入院後2~3日で亡くなる例もある。また、呼吸器系の炎症は退院後も回復に8日程度を要する。
 1日には、アマゾナス州で、インフルエンザの予防接種でも高リスクグループに入る先住民からの初の感染者が出た事も確認された。感染者は先住民医療に携わる20歳の女性で、先住民部落二つが隔離されている。
 医療関係者は感染者と接する機会が多いため、感染しやすく、他者にうつす可能性も高い。感染検査を優先的に受けるのもそのためだ。医療関係者が「外出を控えるように」と呼びかける動画は閲覧数も多いが、その対象に子供や若者も含まれている事は、皆が心に留める必要がある。
 なお、1日午後4時の保健省の発表による感染者は6836人、死者は19州240人だ。