東西南北

 労働者党(PT)と民主社会党(PSDB)は、ボルソナロ氏当選前まで、熾烈な政権争いを繰り返してきたライバル同士だが、今回のコロナ騒動で歩み寄る姿が話題になっている。それは、ドリア・サンパウロ州知事(PSDB)が軍警を工場に派遣して保健関係者のマスクを大量に獲得させた件に関し、ルーラ元大統領(PT)が「今、必要なのはコロナに勝つこと。危機と最も戦っているのは知事と市長たちだ」とし、同件でボルソナロ氏に批判されたドリア氏を擁護。すると、ドリア氏が「(PTと)我々は大きな違いがある。だが、ウイルスはイデオロギーや政党を選ばない。今救うべきはブラジルと国民だ」と主張。危機は政界の図式も変えつつある。 
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 大手レストランチェーン「マデーロ」のジュニオル・ドゥルスキ社長が1日、同チェーンの従業員を600人解雇すると発表した。同氏は「国内で5千人死のうが7千人死のうがブラジルは止まれない」と発言し、物議を醸している。ボルソナロ大統領も同様の言葉で反隔離政策キャンペーンを行おうとして、国民の反感を買っていた。同社は今年、65店舗の開店を目指して従業員を増やしていた。拡大による利潤追求が裏目に出たか。 
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 今回のコロナウイルスでは、政界から医学界に至るまで、色々な人が感染しているが、18年9月にボルソナロ氏が刺された時に担当したサンパウロ市のアルベルト・アインシュタイン病院のカルメン・シウヴィア・ヴァレンテ・バルバス氏も感染して入院中だ。肺を専門としている同医。体調を十分に回復させ、現場に復帰して欲しい。