《ブラジル》非正規雇用者らに月額600レアル支給の緊急援助法が裁可=翌日には関連の暫定令も発表

カイシャなどの国営銀行が支払い業務を担当する(参考画像・Marcelo Camargo/Ag. Brasil)

 【既報関連】ボウソナロ大統領は1日、既に議会で承認されていた緊急援助法を、3項目に拒否権を行使した上で裁可。翌2日夜には連邦官報特別版に記載された。コロナショックで困窮する国民へ月額600レアルの援助金が支給されるには、支払い実務を支える法整備も必要だが、政府は暫定令(MP)を出してこれに対処すると、2日付現地サイトが報じた。
 1世帯2人までを上限に、非正規雇用者らに月額600レアル(片親家庭の家計の長である母親には1200レアル)を支給する措置により、5400万人が援助金を受け取れる。国庫への負担は980億レアルだ。
 大統領は、「まだ膨大な手続きが必要。専用の基金も作らなくてはいけない。私も書類にサインする時にミスできない」と語った。
 緊急援助法が記載された2日付の特別版官報には、支払い実務を行う市民省に982億レアルを送金するための暫定令(MP)も掲載された。
 援助金の支払い業務は、国営銀行の連邦貯蓄銀行(カイシャ)、ブラジル銀行(BB)、バンコ・ダ・アマゾニア(Basa)、バンコ・ド・ノルデステ(BNB)とロテリアを通じて行われる。
 大統領が拒否した項目は3点ある。一つ目は、「援助金を受け取っている間に、正規雇用職に就くなどして、条件から外れた人には、支払いをストップする」だ。
 これが拒否されたことで、途中で受け取り条件を外れても3カ月間の受給は保障される。一人一人が条件を満たし続けているかをチェックするほうが手間がかかり、割に合わないとの判断だ。
 二つ目は、「受給のために新たに銀行口座を開いた場合、その口座は、援助金を受け取る目的にのみ利用できる」だ。これも拒否されたことで、受給者は新規作成の口座を、他の目的にも利用できる。
 三つ目は、緊急援助ではない別の社会保障、「低所得高齢者や身障者の特別恩給」(BPC)に関するものだ。BPCの受給条件は、政府と議会の間で激しい綱引きが行われており、国庫負担がより重くなる「世帯1人あたりの収入が最低賃の2分の1以下」を議会は主張。政府は国庫負担増を嫌い、「世帯1人あたりの収入が最低賃の4分の1以下」を主張していた。
 2日の拒否により、政府の主張が復活し、BPC支払い基準は再度厳しくなった。