コロナ禍=日本人3人、日系人8人犠牲に=サンパウロ市内で3月16~29日に=病死者中の日系人比率高い?!

コロナウイルスの電子顕微鏡写真(Crédito: NIAID-RML)

 保健省は6日(月)午後、コロナウイルス(COVID―19)による死者数を553人と発表した。サンパウロ州は死者数が最も多くうち304人に登り、そのうちの204人はサンパウロ市内に集中している。本紙姉妹紙ジョルナル・ニッパキの樋口アウド編集長がサンパウロ市役所の葬儀サービス部に独自取材したところ、3月16日から29日にかけての犠牲者のうち、11人が日本人および日系人がコロナ陽性者もしく感染被疑者であることが判明した。日系陽性判明者5人は、204人の中で2・5%にあたり、高めの割合になっていると言えそうだ。

 3月16日から29日の間に、サンパウロ市で亡くなった日系人の中で、コロナウイルス陽性が確認されたのは、次の5人。
◎MIさん(男性、76、重症急性呼吸器症候群・急性肝障害・急性慢性腎不全)
◎KKさん(女性、72、不明)
◎MMさん(男性、76、重症急性呼吸器症候群)
◎HYさん(女性、77、急性呼吸器疾患)
◎26歳の若さで亡くなったスズキ・マウリシオ・カズヒロさん(3月31日既報、急性呼吸不全・ウイルス性肺炎・慢性閉塞性肺疾患)
 同期間の間に亡くなって感染被疑を持たれている人の中で日本国籍はAFさん(女性、87、肺病巣の敗血症性ショック・ウイルス性肺炎・動脈性高血圧)、FKさん(女性、89、重症急性呼吸器症候群・アルツハイマー病)、KKさん(女性、85、検査結果待ち)の3人。
 ブラジル国籍者はKNさん(63、女性、重症急性呼吸器症候群)、RTQさん(男性、76、重症急性呼吸器症候群・慢性閉塞性肺疾患)、TTさん(男性、78、検査結果待ち)の3人。
 感染被疑を持たれている病死者は、棺を密封され、病院やIML(法医学研究所)から初七日や葬儀などの人の集まる儀式を経ずに、火葬や埋葬されることになっている。
 この他、リストの中には41歳の中国籍男性もいた。
 サンパウロ市内における日本人や日系人の死亡例の大半は60歳以上。26歳のスズキさんを除き、1人が63歳、6人が72〜78歳、3人が85〜89歳となっている。
 死亡者は60歳以上に集中しており、心臓病(高血圧)・アルツハイマー病・喘息や糖尿病などの併存疾患も危険要因の一つであることは、日系人犠牲者の内訳でも証明されている。やはり高齢者や基礎疾患がある人は、特に注意が必要だ。