《ブラジル》緊急援助金の支払い開始=非正規雇用者らに600レアルを3回=登録者は既に2600万人

緊急援助金受け取り申し込みアプリのトップ画像

 【既報関連】コロナショックによる経済的な影響を緩和するため、非正規雇用者、失業者、自営業者、家計の長である母親などへの緊急援助金の支払いが9日に開始された。同日付現地サイトが報じている。

 緊急援助金は、1回600レアル、家計の長である母親には1200レアルを3回にわたって支給する。
 支払いを担当する連邦貯蓄銀行(Caixa)は、申し込み用のサイトとアプリを7日に開設。8日までに2600万人が登録を済ませた。電話相談窓口にも330万回の着信があった。
 9日に最初の受け取りが出来たのは、カダストロ・ウニコ(CU)に登録されていて、生活扶助(ボウサ・ファミリア、BF)を受け取っておらず、ブラジル銀行(BB)かCaixaに口座を持っていた人およそ250万人だ。最初の二つの条件を満たしているが、BBやCaixaに口座のない人は14日以降の受け取りとなる。
 また、CUに登録されていなかったが給付規定に該当する労働者は、サイトやアプリで登録してから5営業日以内に受け取れる。
 BFを受け取っている人は、緊急援助金とBFのどちらか高額な方を受け取れる。こうした人々の受け取り日はBF支給日と同様、4月の最終10営業日だ。
 2回目の受け取り日は、BFを受け取っていないCU登録者と、サイトやアプリによる申し込み者が4月27~30日、BF受給者は5月の最終10営業日だ。3回目の受け取り日は、BFを受け取っていないCU登録者と、サイトやアプリによる申し込み者が5月26~29日、BF受給者は6月の最終10営業日だ。
 Caixaが開いたサイトやアプリでの登録の際には、納税者番号(CPF)の入力が求められる。しかし、CPFの登録情報に不備があり使えなくなっている人も多い。このため、全国各地の国税庁地方局前には、CPF正常化のために並ぶ人々で長蛇の列ができている。一例はパラー州都ベレン、ペルナンブッコ州都レシーフェなどで、8、9日と連続で、国税庁舎を取り囲む行列ができた。
 また、9日は緊急援助金を引き出す人の列もできた。行列はコロナ感染抑制の大敵だが、人々は意に介していない。
 国税庁は、CPF正常化手続きはオンラインでも行えるので、国税庁にむやみに詰めかけないように、オンラインで解決できない場合にのみ、直接出向くようにと呼びかけている。
 また、利用者を騙して、個人情報を抜き取ろうとする偽の登録アプリも数多く出回っており、注意が必要だ。本物のアプリは(CAIXA|AuxilioEmergencial)だけだ。