《ブラジル》「神の加護でコロナ防ぐ」と発言の市長、コロナウイルスに感染

 リオデジャネイロ市と南端が接し、リオデジャネイロ大都市圏を構成するドゥッケ・デ・カシアス市のワシントン・レイス市長が、コロナウイルスに感染していることが12日に分かった。
 レイス市長は11日にリオ市南部ボタフォゴ地区の病院で検査を受け、入院していた。市長は現在、集中治療室と一般病棟の中間の半集中治療病棟に入っている。ドゥッケ・デ・カシアス市市役所は、市長の病状は「満足のいくもの」と発表している。

 ワシントン市長は、3月末にリオ州のウィルソン・ヴィッツェル知事がコロナウイルスの拡大を防ぐための措置として、大人数の集まるイベントを禁じた際、ミサなどで人が集まるのを防ぐために教会や寺院も閉鎖させようとしたのに反対。「(病からの)治癒は教会からやってくる」として、同措置に反対するビデオまで公開して物議を醸していた。
 結局、教会の閉鎖措置問題は、司法当局に持ち込まれ、一旦は知事による閉鎖措置が決まったが、その後、教会の閉鎖は無効になった。
 「コロナの災禍が始まった時からずっと、私たちの方針は教会を解放することだった。なぜならば癒しはまさに教会から、主のみ足からくるのだから。祈りましょう。ドゥッケ・デ・カシアス市には神の加護があり、世界中で何千人もの命を奪っているこの病からも保護されている」が先月末のワシントン市長の言葉だ。
 だが、市長の言葉も空しく、12日午後の時点で、ドゥッケ・デ・カシアス市では81人の新型コロナウイルス感染者が確認されており、内16人が死亡している。リオ州全体では感染者2855人、死者170人だから、州全体と比べても、同市の新型コロナウイルス感染時の致死率は非常に高い。(13日付G1サイトより)