《ブラジル》緊急援助金=2回目の支払の前倒しなし=1回目の支払で混乱生じ=Caixaの発表と矛盾も

CAIXAの携帯アプリ(Marcello Casal/Agencia Brasil)

 市民省は22日、23日から支払が可能と発表されていた、新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急援助金600レアルの第2回目の支払の前倒しは不可能だと発表した。22日付現地サイトが報じている。

 2回目の支払は本来、今月27日から行われる予定だった。だが、連邦貯蓄銀行(Caixa)が20日に、「23日から支払が可能」と発表したため、皆が、23日から支払われると期待して待っていた。
 だが、1回目の支払の際に多くの人が殺到したため、その後の支払を行うための資金増強や受給資格審査のために、23日からの支払に応じることができなくなったと、市民省が語っている。
 同省は2回目の支払がいつから開始されるかは明らかにしていないが、「経済省に頼んで、できるだけ早く支払が行われるように催促している」と説明している。
 Caixaのペドロ・ギマリャンエス総裁は20日に、「Caixaの支払能力は受給予定の人たちが受け取る総額を上回っているので、前倒しは可能」と語っていたが、それとは矛盾する形となった。
 受給者のデータを管理する社会福祉データ処置公社(Dataprev)によると、22日までに受給資格審査が終わった人は全国で3200万人いるが、さらに700万人分の審査が残っているという。残りの申請者の審査が終了するのは24日の予定だ。
 1回目の支払で、国は3130万人に対して、約220億レアルの支払いを行っている。
 緊急援助金を受け取ることができるのは、カダストロ・ウニコ(CU)に登録されていて、生活扶助(ボウサ・ファミリア)を受け取っていない非正規雇用者や失業者、個人零細企業家などで、600レアルを3回にわたって支給される。母子家庭の母親への支給額は1200レアルで、これも3回支給される。
 コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛期間中の国民の経済状況は深刻で、23日に経済調査院(Fipe)が発表した調査によると、17日現在の対応は、一時帰休17・3%、時短18%、減給17・9%、集団休暇採用10・4%などとなっている。