大耳小耳

 24日で、サンパウロ州での外出自粛令(クアレンテーナ)発効から1カ月が経つ。約100年前のスペイン風邪の時代を実体験した人はほとんどいないはずだから、初めての異例な体験を州民はひと月の間、体験したことになる。ドリア知事や対策班は「隔離率70%」を目指しているが、それはなかなか守られず、22日は48%だった。23日現在の同州の感染者は1万6740人で、死者は1345人。この数が収まる状態はまだ遠い。5月11日から隔離規制緩和との話もあったが、現状の隔離率では見直しもありうる。規制緩和が不安の中で行われることのないよう、それまでに少しでも状況が良くなってくれれば良いのだが。

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 このクアレンテーナにより、サンパウロ市中央部の有名観光地、ガレリア・ド・ロックが経営難に陥っている。一つのビルにロック関係の店が集まり、世界でも珍しい、ロックに特化した場所として知られ、通常は「1日に1万5千人来訪」を誇っていたが、外出自粛令による営業差し止めにより、約30店舗で400人の解雇者が出たという。コロナ禍が長引けば、これからもこういう話題が増えると思われるが、州政府の折り合いも気になるところ。

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 先週のマンデッタ保健相解任に続き、ラヴァ・ジャット作戦以来、国民からの人気が絶大だったセルジオ・モロ法相の辞任宣言に揺れたブラジル。政権の看板を失い、レアルは前例のない大暴落を記録、コロナの感染者や死者はうなぎ上りと、ボルソナロ大統領にとっては悪夢のような展開だ。「息子を匿うために」自分が巻き起こしたこととはいえ、どうする?