《サンパウロ州》公共交通機関利用時のマスク着用義務化=タクシー、Uberにも有効

サンパウロ州内、公共交通機関利用時のマスク着用義務化を発表するドリア知事(Governo do Estado de São Paulo)

 新型コロナウイルスによる死者が5千人を超え、中国を上回ったブラジル。ブラジルの26州とブラジリア連邦直轄区の中でも、サンパウロ州が州別で感染者数、死者数共に最も多い。
 そんなサンパウロ州では、30日に公共交通機関やタクシー、Uberなどの配車アプリタクシーの中でのマスク使用が義務付けられる州条例が署名される。マスクは布製でも構わない。
 この条例はサンパウロ州内全域で有効で、当然サンパウロ市でも有効だが、サンパウロ市は市条例としても、公共交通機関内でのマスク使用を義務付ける。
 州条例は3連休を挟んで週明けの5月4日から有効だ。サンパウロ市の地下鉄や、都電(CPTM)、都市間バスの車内でのマスク着用が義務づけられる。サンパウロ州のジョアン・ドリア知事によると、この条例はUberやタクシー車内でも有効だ。運転手も乗客もマスクをしなくてはならない。サンパウロ市では、市内バスでも着用義務が生じる。
 サンパウロ州では3月下旬から、既に1カ月以上、外出自粛令が出ているが、コロナの感染者、死者が一向に減らない。州政府はマスク着用義務化を、感染拡大抑制につなげたい意向だ。
 「公共交通機関の運行会社は、州や市の職員により査察を受ける。公営機関であろうと、私営機関であろうと、違反が発覚した場合は警告処分となるが、警告後は罰金も科す」とドリア知事が述べた。ブルーノ・コーヴァス市長が出したサンパウロ市条例では、罰金は最大で1日あたり3300レアルに達する。交通機関の運転手には、利用客がマスクを着けていない時は、乗車または走行を拒否する権限が与えられる。
 ドリア知事は、5月1日にサンパウロ市内のイビラプエラ公園周辺のスポーツ施設敷地内に、パカエンブー、アニェンビーに続く第3の臨時病院をオープンさせることも発表した。この病院の病床数は268床で、これまでに開業した二つの病院と合わせると、病床数は2268床になる。ドリア知事はまた、5億5千万レアルを投じ、2種類の人工呼吸器、計3千台を中国から購入したことも明らかにした。これらの機器は随時、州内の公立病院に配られる。(29日付アジェンシア・ブラジルより)