東西南北

 ボルソナロ大統領は4月30日、出演したラジオ番組の中で「コロナにかかっていたのかもしれないが、何も感じなかった」と語り、初めて、感染していた可能性を認めた。一方、大統領四男のレナン氏も前夜、「以前、コロナに感染したけど、あんなのはただのグリペジーニャ(軽い風邪)さ」とSNSで発言した。大統領は裁判所からの命令で検査結果の提出を求められたが、診断書は出さずに「陰性だった」とのみ報告した。連邦政府内では3月までに20人以上がコロナに感染。もし、あの時期に感染していたなら、デモの群衆などに自ら触りに行った行為は犯罪として扱われる。死者も5千人を超えた今、冗談では済まされないが。
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 4月24日に、セルジオ・モロ前法相から、ボルソナロ大統領による圧力行為に加担したと指摘されたカルラ・ザンベッリ下議も、問題視される言動が相次いでいる。同下議は、大統領が指名したラマジェム氏の連警長官就任を阻止したアレッシャンドレ・デ・モラエス判事を、「PCC(州都第一コマンド、サンパウロ州最大の犯罪集団)と繋がっている」と揶揄した上、「ブラジルではからの棺桶が墓場に埋められている」とコロナ禍をも否定した。
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 「隔離、段階解除か」と思われていたサンパウロ市だが、それは起こらず、逆に前より厳しくなることに。隔離生活が2カ月目に突入したことで、市民には疲労と家計への心配が募っている。その上、一度は「緩める」との意向を表明したこともあって、市民のモチベーション維持が難しくなる。なんとか気を取り直し、感染者、死者の減少に協力したいところだが。