《ブラジル中銀》経済指標予測集“フォーカス”を発表=GDP成長率予測はマイナス3・76%

 ブラジル中銀は4日、週刊経済指標予測集「フォーカス」を発表した。この予測集は中銀独自の予測ではなく、ブラジル国内100以上の金融機関を対象として行ったアンケートをまとめたものだ。
 それによると、今年のブラジル国内総生産(GDP)成長率予測は先週のマイナス3・34%からさらに下がって、マイナス3・76%と出た。フォーカスは今年の予測だけでなく、来年、再来年の予測も出しており、2021年のGDP成長率予測は、先週の3%から3・20%からへと上方修正された。
 ブラジル通貨レアルの対ドル為替レートが、今年の年末時点でいくらになっているかの予想は、先週までの1ドル=4・80レアルから、1ドル5レアルへと、レアル安に変更された。なお、2021年末現在の為替の予測は、先週時点の1ドル=4・55レアルが、1ドル=4・75レアルに変更された。
 今年のインフレ率(広範囲消費者物価指数、IPCA)は、先週の2・20%との予測が、今週は1・97%と下方修正された。来年のインフレ予測も、先週の3・40%から3・30%に変更された。
 中銀がインフレ率と経済情勢を考慮して上下させる経済基本金利(Selic)が今年の年末時点でどうなっているかの予測は、先週の3%から2・75%へと落ちた。来年末のSelicの予測は、先週の4・25%から3・75%に引き下げられた。
 ブラジル中銀はこの予測が発表された直後の5月5、6日に、通貨政策審議会(Copom)を開き、現状年利3・75%、史上最低水準のSelicを変更するか否かを決める。
 Selicを決める権限のある中銀から、「Selicがどうなると思うか」と質問されたブラジル国内の金融機関が、「年末までに今より1%ポイント下がると思う」と返答したことは、実質的な市場からの利下げリクエストと見ることもできそうだ。(4日付アジェンシア・ブラジル、ブラジル中銀公式サイトより)