《ブラジルサッカー》グレミオが練習再開へ一歩踏み出す=厳戒態勢の中、トレーニングセンターで検査開始

チームトレーニングセンターで検査を行う選手(LUCAS UEBEL/GREMIO FBPA)

 ブラジル南部の強豪チーム、グレミオの一部の選手が5日、練習再開に向けてトレーニングセンターに現れた。
 5日にトレーニングセンターに来た選手は15人で、5人ずつ3組に分かれ、メディカルチェック、高性能カメラによる体温測定、ブラジルサッカー連盟(CBF)作成の問診票に返答した。
 選手たちがトレーニングセンターに来る時間はグループごとに指定され、入り口でも体温を測られる。トレーニングセンター内では新型コロナウイルス感染検査を行われた。
 チームドクターのマルシオ・ドルネレス氏は、「全ての選手に、医師団の作成した保健安全規定に従った検査を受けてもらう。今日のところはそのあとは帰宅だ」と語った。
 選手の一人、センターバックのマルセロ・オリベイラは検査の後に会見を行い、「世界の状況、ブラジルの状況、ポルト・アレグレの状況、それぞれの家族や友人の状況を見ると、今が理想的な状況だなんてとても言えないが、この悪夢が少しでも早く終わって、チームのみんなだけでなく、世界中の人々がまた、元の通りに働き始められることを願っている。多くの人がまだ苦しんでいることを知っているから」と語った。
 チームを少人数に分けての検査は6日も行われる。また、7日からはフィジカルトレーニング中心に練習を再開する。

 監督のレナト・ガウーショ(57)は昨年、心臓の手術を2回受けているため、コロナ感染のハイリスクグループ(万一感染してしまった場合、命の危険が高いグループ)とみなされ、リオの自宅で隔離生活を続けている。
 ブラジルでは、年の前半に行われる各州の州選手権が3月中旬から中断されている。
 本来ならば、州選手権は4月最終週に終了し、5月初旬から全国選手権が始まる予定だったが、CBFは州選手権を強制的に終了させる意思を見せていない。
 また、グレミオの所属するリオ・グランデ・ド・スル州サッカー協会も、同州選手権の再開日を決定はしていない。グレミオの練習再開は、フィジカル・コンディションを再び高め、連携を再構築することで州選手権再開に備えるためだ。(5、6日付グローボエスポルテより)