《ブラジル》地方財政援助法を両院承認=600億レアルを国庫から

遠隔で行われた上院本会議の様子(Jefferson Rudy/Agencia Senado)

 【既報関連】連邦上院は6日、新型コロナウイルス災禍による各地方自治体の経済的損失を緩和するため、連邦政府から各自治体に財政支援をすることを定めた法案(PLP39/2020)を賛成80、反対0で可決したと同日付各ニュースサイトが報じている。
 採決は、コロナ感染拡大を防ぐため、インターネットを使った遠隔会議で行われた。
 これにより、州や市には国庫から、計600億レアルが4回に分割して振り込まれる。
 600億レアルの内、500億レアルはコロナ禍に伴う歳入減の埋め合わせに使われ、100億レアルが保健医療部門、社会扶助部門に使われる。
 歳入減埋め合わせの500億レアルの内、300億レアルが州に、200億レアルが市に回される。医療や社会扶助部門用の100億レアルは、70億レアルが州に、30億レアルは市に回される。
 連邦政府に対して地方自治体が負っていた債務の一時停止も決まった。債務返済の一時停止措置は、国庫の歳入が600億レアル減ることも意味する。

 同法案は当初、「2021年12月31日までは、市、州および連邦公務員の給与調整を行わない」の条件と引き換えとされていた。政府側は、公務員給与を凍結して捻出した資金を地方への援助金に充てる算段だった。
 しかし、審議の過程で、議員たちは例外的に給与調整を行える職種を追加。政府の歳出削減規模は、930億レアルから430億レアルへと縮小してしまった。
 すでに下院では承認済みで、法案成立までに残るのは大統領裁可のみ。ただしボルソナロ大統領は7日、「給与調整を受けられる職種に関して、拒否権を行使することもいとわない」と語っている。