《サンパウロ市》住民に新型コロナ免疫検査=無作為抽出、感染実態把握に

 【既報関連】サンパウロ総合大学(USP)医学部がサンパウロ市内6地区の住民ボランティアに行っている、新型コロナウイルスの免疫検査が8日に終了すると7日付現地紙サイトが報じた。
 この検査はサンパウロ市内のコロナ感染の実態を探るためのもので、4月17日現在で住民10万人あたりの感染者数が最多の3地区(モルンビ、ジャルジン・パウリスタ、ベラ・ヴィスタ)と、10万人あたりの死者数が最多の3地区(アグア・ラザ、パリ、ベレン)の住民ボランティア500人がコロナウイルスに感染した事があるかを調べている。
 ボランティアから採取した検体(血液)は、フレウリ研究所が分析しており、検査結果は各人にも知らされる。
 サンパウロ市での感染者数は、医療機関で診察を受けた重症者や医療関係者への検査結果が中心で、無症状の感染者や軽症で終わり、検査を受けるには至らなかった人達は、感染しているか否かもわからず、統計上の数字にも表れない。

 検査数が不足し、コロナウイルスへの感染の実態が十分に把握されていない事は、コロナ対策の今後を決めるためのネックとなっており、今回の検査によって実態解明が進めば、外出自粛緩和などの政策を決めるための一助になる。
 無作為抽出して送った手紙に応答した人達の中からボランティアは選ばれており、全ての年齢層を網羅するよう配慮されている。
 フレウリ研究所によると、サンパウロ市では10~20歳の感染者も相当数出ており、実態調査は重要な意味を持つという。