《ブラジル》コロナ感染爆発ピークはこれからか=感染者18万8974人、死者1万3149人

ブラジルの国別感染者数、死者数順位は上昇している(参考画像・Paula Froes/GOVBA)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大は一向に収まる気配を見せず、これから感染爆発のピークを迎えると指摘する専門家もいる。13日夜の保健省発表では、感染者は前日から1万1385人増えて18万8974人に、死者は749人増えて1万3149人になった。1日で1万1385人の感染者増は、ブラジルでコロナ禍が始まって以来、最大だ。
 ブラジルは、12日夜半に感染者数世界ランキングでドイツを抜いて世界第7位になり、13日昼の時点ではフランスも抜いて世界第6位になった。14日現在でブラジルよりも感染者数が多いのは、米国、ロシア、英国、スペイン、イタリアのみ。
 ブラジルは死者数でも世界第6位になった。上位5カ国は、米国、英国、スペイン、イタリア、フランスとなっている。
 国内の感染者数を州別でみると、突出して多いのはサンパウロ州で、以下、セアラー、リオ、アマゾナス、ペルナンブッコと続く。セアラー州の感染者数は13日の時点でリオ州を抜いた。
 重症患者を助けられるかどうかは、各州の集中治療室(ICU、ポ語ではUTI)病床占有率にかかっている。
 このデータは州毎に出しており、最新データの更新日時もバラバラだ。アマパー、ゴイアス、ロライマの3州と、連邦直轄区(DF)は数値を出してさえいない。
 発表している24州の中では、リオ州が98%(5月4日現在)と最も高く、アマゾナス州が90%(5月5日現在)、セアラー州が90%(5月2日現在)、州都サンルイス限定だが、マラニョン州が87・56%(5月12日現在)、パラー州が87・19%(5月2日現在)と続いている。
 州別の感染者数、死者数共に1位のサンパウロ州のICU占有率は5月13日現在で68・3%だ。
 ICU占有率が最も高いリオ州では、リオ市内にコロナ患者対応専用の臨時病院を3カ所建て、450の病床を確保したが、14日現在も231床が空いている。同州での入院待ち患者は同日現在で900人いるが、州政府は臨時病院への転院は少しずつ行うと語るのみで、900人を入院させる手立てについては明らかにしていない。

 ブラジルでは、州や市が独自の判断で社会隔離政策を実施しており、中にはより厳しい隔離策のロックダウン(都市封鎖)を採用した自治体もある。
 ロックダウン実施中の自治体はマラニョン州サンルイス市と周辺の計4市、パラー州ベレン市など計10市、セアラー州フォルタレーザ市などだ。アマゾナス州でも13日に、テフェー、シウヴェス、バレイリーニャス、サンガブリエル・ダ・カショエイラの4市がロックダウンを宣言した。同州検察局は5日に州都マナウス市のロックダウンを要請したが、裁判所が拒否したため、11日に上告した。同州政府は12日夜、外出自粛令を5月31日まで延長することを公表した。