4年8カ月の長い任期終え=岩嶋領事帰朝「挨拶できず残念」

岩嶋健次領事

岩嶋健次領事

 「ブラジル日系社会にはお世話になってばかりで、感謝してもしきれないです。もっと手助けができたのではないかと感じています。本当でしたら、皆さん一人ひとりにお礼参りをしたいのですが、コロナ災禍の中、こんな形のお別れになって申し訳ない気持ちです」――在サンパウロ総領事館日系社会班の岩嶋健次領事(45、岐阜県)は4年8カ月にもおよぶ長い任期を終え、そうさびしげに振り返った。
 岩嶋領事は2015年10月に現職に着任。18年には、眞子内親王殿下のご来伯も経験。03年から5年間、在マナウス総領事館に、その他メキシコ、ペルーでの勤務経験もしている。
 岩嶋領事は通算約10年のブラジル生活を振り返り、「一番思い出に残っているのは、やはり移住110周年を日系社会一丸となって祝うことができたことと、眞子内親王殿下にブラジルにお越し頂き、訪問先の移住者の喜ぶ様子に接することができたことです。私自身、今まで日系移住地を100カ所以上訪問しましたが、どこも温かく歓迎してくれました」と感慨深げな様子。
 さらに「日本以上に日本の価値観を守り続けていることから、今日のブラジルは日系人のおかげで成り立っていることを毎回痛感しました。帰任後も日系社会との関わりを保ち、将来またブラジルに戻りたいと思っています。ブラジル日系社会での経験は心の財産です」としみじみと語った。
 岩嶋領事は7日に帰朝する。着伯まもない後任の戸佐裕美副領事(35、神奈川県)は自主隔離中。着任の抱負として「これから日系社会のことを色々勉強して皆様のお役に立てるよう頑張りたいです」と述べた。